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パナソニック LUMIX DMC-FX01【第8回】
すごい機能はないが、トータルですごいのがFX01なのだ

Reported by 北村 智史


 前回はあれこれと細かい文句を書き連ねてしまったが、だからといって、FX01がダメなカメラというつもりはちっともない。どんなカメラにだって欠点ぐらいあるし、誰が使っても文句が出ないカメラなんて、一眼レフにだってない。それに、ほんとにダメなカメラだったら、最初から見ないふりをしてしまうので、ケチをつけることさえないのである。

 まじめな話、FX01はよくできたカメラだ。写りも基本性能もきちんとしているし、誰にでもおすすめしやすいシナモノだ。前回書いたようなことを除けば(まあ、大半の人は気にもしないことばかりかもしれないけど)、操作していてイライラさせられるようなところはないし、不便に感じることも特にはない。

 じゃあ、「ここがすごい」とか「ここが飛び抜けていい」というのがあるかと聞かれると、これもあまりない。FX01の売りは、スリムボディーで28mm相当の広角に手ブレ補正内蔵というところだが、スリムなカメラならいくらでもあるし、28mm相当やそれより画角の広いレンズを搭載したカメラも少なくはない。光学式手ブレ補正もそれほどめずらしいものではなくなってきている。

 たしかに、28mm相当の広角は大きな魅力だ。何度も同じ説明を繰り返すのも能がないとは思うのだけれど、後ろに下がりようがない室内での撮影や大きな風景には広角は強い。大半のデジカメのレンズは35mm相当から38mm相当なので、場所によっては「入りきんねぇじゃん」とか「狭っ苦しいぞ」とかになってしまうこともしょっちゅうだが、28mm相当のワイドなら、それがずっと減る。

 35mm相当や38mm相当のレンズではあまり目立たない遠近感も強くなる。画角が広い分遠くのものは小さく写るが、近くのものは近づきさえすれば大きく写せるので、遠近それぞれのものの大きさの比率が大きくなる。つまり、遠近感が誇張されるという理屈。こういうのもワイドならではのおもしろさのひとつで、遠近感の誇張をいかすことで画づくりの幅が広くなるわけだ。まあ、4:3の画面比率では、遠近感はそれほどきつく出ないが、16:9比率の画面だと案外に楽しめる(前にも書いたけど、画面が細長くなればなるほど遠近感は強まるからだ。画面の上下をカットする分画角が狭くなっちゃうけどね)。

 レンズ部の出っ張りを我慢できるなら、16:9比率のCCDを搭載したLX1のほうが、広角のおもしろさでは上だと思う。画角が同じでも、画面が細長いほうが遠近感が強く感じられる。その分、画づくりが楽しいはずだ。けれども、気軽に持ち歩いてパチパチやるにはFX01のほうが使いやすい。電源をオフにすればほぼフルフラットになるからポケットへのおさまりはいいし、レンズキャップを着脱する手間だっていらない(というより、今どきのコンパクト機でレンズキャップ式はないよなぁ、って思う)。FX01のえらいところは、35〜105mm相当のFX9と同じ奥行き24.2mmの薄さのままで、28mm相当にまで広角側を広げたところなんである。


 その分、望遠端の開放F値が暗いとかは我慢しなくちゃいけないが(もちろん、文句はいわせてもらうけど)、スリムさと広角という両立が難しい問題をクリアしているところが魅力なのだ。さらに手ブレ補正機構搭載というオマケ付きとくれば、そそられないはずがない。買い替えや買い増しの際には、かなり有力な選択肢となるはずだ。

 スリムボディーも手ブレ補正も28mm相当の広角も、ひとつひとつはそんなにすごくはないのだけれど、これを3つとも合わせ持っているというのがFX01のすごさなわけだ。

 まあ、個人的にないものねだりをさせてもらえば、もう少しマクロを強化してもらいたいのと、高感度時の画質をISO400相当で常用できるぐらいにアップしてくれるとうれしいと思う。

 広角端で5cm、望遠端で30cmというマクロ機能のスペックが悪いというつもりはないけれど、世の中には1cmとか2cmとかまで寄れる機種もある。リコーCaplio R4なんかは、望遠端で14cmまで寄れるテレマクロも付いていたりする。そういうのと比べると、やっぱり5cm止まりというのは物足りない(もっと寄れない機種もいろいろあるけどね)。

 それと、手ブレ補正では被写体ブレは防げないこともある。室内で子どもやペットを撮るときの被写体ブレを抑えるには、感度を上げるかレンズを明るくするしかない。ここは今後の課題ということになるだろう。

 なんてことをブツブツやりはじめたらキリがない。望遠端が暗いのを何とかしたら、大きくなって高くなりました、なんてことになっても困る。このスリムさで手ブレ補正付きの28mm相当なのがいいんであって、分厚くなったら魅力半減間違いなしだ。それに、筆者よりも心の広い人が使う分には、たいして不満も文句も出ないはずだし、あまり細かいことをとやかくいわずに楽しく撮りたい人にはおすすめ度の高いカメラだと思う。



※作例のリンク先ファイルは、JPEGで撮影した画像をコピーおよびリネームしたものです。
※写真下の作例データは、記録解像度(ピクセル)/露出時間/絞り値/露出補正値/ISO感度/ホワイトバランス/35mm判換算の焦点距離を表します。


日比谷公園。某誌の仕事で夜景を数カット撮らないといけないので、昼間はロケハンを兼ねてFX01の作例撮り
2,816×2,112ピクセル / 1/160秒 / F5.6 / −0.7EV / ISO80 / AWB / 102mm
2,816×2,112ピクセル / 1/200秒 / F5.6 / −0.3EV / ISO80 / AWB / 102mm

同じく日比谷公園。白飛びするかと思ってヒストグラムを見ながら段階露光したが、曇っていたおかげか補正なしのコマでも大丈夫だった
2,816×2,112ピクセル / 1/200秒 / F5.6 / 0EV / ISO80 / AWB / 102mm
公園内の喫茶店。平日の昼間なのに、まったり過ごしている人がけっこういたりして、うらやましかった
2,816×2,112ピクセル / 1/320秒 / F2.8 / −0.3EV / ISO80 / AWB / 28mm

2,816×2,112ピクセル / 1/400秒 / F5.6 / 0.3EV / ISO80 / AWB / 28mm 有楽町駅近く。両手を伸ばしてカメラ位置を高くして撮ったカット。標準の状態だと液晶モニター画面がほぼ真っ暗になってしまうが、ハイアングルモードにすると、フレーミングができるぐらいには見られる
2,816×2,112ピクセル / 1/25秒 / F2.8 / 0EV / ISO100 / AWB / 28mm

高架下の空間を利用したお店がいくつも並んでいるが、昔の“ガード下”的イメージとはだいぶ違う
2,816×2,112ピクセル / 1/20秒 / F2.8 / −0.3EV / ISO100相当 / AWB / 28mm
居酒屋(だったと思う)のエクステリア。感度オートでISO200相当まで上がっているせいでちょっとアマい。画質を考えると、感度はこのへんがいっぱいって感じだ
2,816×2,112ピクセル / 1/20秒 / F5.6 / −0.3EV / ISO200 / AWB / 102mm

同じお店の大提灯。16:9モードのほうがおもしろかったかも
2,816×2,112ピクセル / 1/20秒 / F5.6 / −0.3EV / ISO100 / AWB / 102mm
東京国際フォーラムのガラス棟。広角があるとけっこう楽しめる場所
2,816×2,112ピクセル / 1/20秒 / F2.8 / −0.3EV / ISO125 / AWB / 28mm

天気が悪いと昼間でも案外に暗いので、絞り開放でのレンズの性能を見るのに便利な場所だったりもする
2,816×2,112ピクセル / 1/20秒 / F2.8 / 0EV / ISO100 / AWB / 28mm
1階から7階までつづく長いスロープの折り返し地点。28mm相当の広角じゃなかったら、こんな撮り方はおもしろみのない画になってしまう
2,816×2,112ピクセル / 1/30秒 / F2.8 / −1EV / ISO200 / AWB / 28mm

こちらは7階からの景観。四隅の画質の落ち具合とか、偽色やパープルフリンジとかの出具合がばっちりチェックできる。FX01のレンズは、ボディーの薄さを考えれば、かなり立派な部類
2,816×2,112ピクセル / 1/30秒 / F2.8 / 0EV / ISO100 / AWB / 28mm
東京ステーションホテルは駅舎の工事の関係で営業休止中。ISO200相当で撮影したカットだが、ISO400相当でこれぐらいになってくれるとうれしい
2,816×2,112ピクセル / 1/10秒 / F2.8 / 0EV / ISO200 / AWB / 28mm

東京駅の丸の内側は夜になるとライトアップされてキレイなんだけれど、夕方から雨が降りはじめる。ま、予報どおりでしたけど
2,816×2,112ピクセル / 1/8秒 / F2.8 / 0EV / ISO80 / AWB / 28mm
丸の内北口(だったと思う)の天井。こちら側は照明があって、ちょっと明るい(といっても、シャッター速度は1/13秒)。手ブレ補正+28mm相当の広角レンズのおかげ的写真
2,816×2,112ピクセル / 1/13秒 / F2.8 / 0.3EV / ISO80 / AWB / 28mm


URL
  松下電器
  http://panasonic.jp/
  製品情報
  http://panasonic.jp/dc/fx01/
  気になるデジカメ長期リアルタイムレポートバックナンバー
  http://dc.watch.impress.co.jp/static/backno/longterm.htm

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( 北村 智史 )
2006/05/29 13:09
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