DMC-TZ1の連載も今回で最後。今回はオプションのフォトプリンタを紹介し、TZ1の感想をまとめて終わりとしたい。
■ 世代が変わったLUMIXのプリンタ
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DMC-TZ1
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LUMIXのプリンタは、先日モデルチェンジされたばかりで、「KX-PX10-S」と「KX-PX1-S」の2機種が用意される。いずれもカメラ本体とUSBケーブルで接続するPictBridge対応の昇華型プリンタだ。
上位機種のPX10はテレビに表示する機能やSDメモリーカードスロットを備える。下位のPX1は機能をシンプルにし、昇華型フォトプリンタとしては世界最小をうたい文句にしている。
価格はオープンプライスだが、Amazonでは、PX10が19、014円、PX1が13,665円だ。
両機とも消耗品類は共通で、L判、ポストカード、ワイドサイズ(9:16)の3種類が用意される。昇華型なので用紙とリボンがセットになったプリントセットの形で販売されている。L版36枚のセットがAmazon.co.jpでは1,495円なので、1枚あたり41円強の計算になる。
届いてみてわかったのだが、両機の大きさはあまり違わない。考えてみれば、同じ消耗品を使い、たぶんエンジンも共通なのだから当然といえば当然だ。底面積はほぼ変わらず、PX10の方がやや厚みがあるぐらいの差だ。ちなみに、両機とも電源はACアダプターで、バッテリー駆動はできない。
印刷方法は、昇華型独特の三原色+オーバーコートで4往復するタイプだが、最新機種だけあって印刷速度は速い。実測70秒ほどで1枚を片付けていく。画質については、十分なものだ。印刷速度や画質についてPX10とPX1との差はない。用紙はどのタイプでもフチなしで印刷できるが、左右は印刷後にミミをちぎるタイプだ。
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KX-PX1-S。本体上部に操作ボタンなどが配される
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PX1にはリモコンが付属し、ページめくりなどの操作ができる
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PX1の背面にはビデオ出力端子があり、テレビに画像を表示できる
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KX-PX10-S。ボタンが少なくシンプル
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左がPX1、右がPX10、厚み以外の大きさは変わらない
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用紙トレイは本体前面につく
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LUMIXの名を冠しているだけあって、LUMIX独自のメタデータも見ている。赤ちゃんモードで撮影した写真なら撮影日と月齢を入れて印刷できるし、画像の補正にも撮影データを利用しているようだ。
購入するならお勧めは、PX10のほうだ。やはりテレビに出せるというのは大きい。また、カメラとのケーブル接続だけではなく、SDメモリーカードを刺して印刷できるのも便利だ。本体サイズもあまり違わないので、5,000円強の価格差であればこちらをお勧めしたい。
ただ、PX1についても、いくつか要望がある。
- SDメモリーカードスロットをもっと目立つ、わかりやすい場所にしてほしい
- テレビのビデオ入力端子は埋まっていることが多いので液晶画面がほしい
- PictBridge用のケーブルは、本体から直に出して、ケーブルを探さすに接続できるようにしてほしい
このクラスのフォトプリンタは、PCを利用しないデジカメユーザーにとって重要な製品だけに、もう少しだけ初心者が使いやすい方向に配慮されているとより良くなると思う。
■ 実用品として優秀なカメラ
さて、これで連載も終了だ。連載中に書いてきたことの繰り返しになるが、TZ1の気に入ったところと気になるところをまとめておこう。
●気に入ったところ
- 10倍ズームレンズのわりにボディが小さい
- 電源を入れてから写真が撮れるまでの時間が短い
- フォーカス時やズーム時の音が静か
- 動画撮影時にも光学ズームが使える
- 建築物などは実力以上に写ることが多い(特に広角端)
●気になるところ
- 日常的に持ち歩くにはぎりぎりの大きさ
- レンズキャップの開け閉めが面倒くさい
- ズーム速度がやや遅い
- 桜の花など複雑な形のものが集まった被写体は苦手
「ちょっと大きいが実用的で良くできたカメラ」というのが今の印象だ。
特に好きなのは広角端で建築物を撮るときだ。たぶん、レンズ単体の力だけではなくカメラ内部の画像処理によって、歪みが少なくコントラストの高い写真が撮れる。
逆にがっかりすることが多かったのが桜で、一輪咲いているのをアップで撮るときはいいのだが、引いて撮ると1つ1つの花の形がきたなくなってしまい、うるさい感じの画面になることがあった。
要望するとすればこの点の改善と、高感度撮影時の画質の向上だろうか。光学手ブレ補正機能のおかげで、失敗は少ないのだが、暗い室内ではシャッター速度が1/8秒になることが多く、被写体ブレが起こることがあった。もう少し高感度側が使えるようになると、オートモードもシャッター速度が早い設定にシフトできると思う。
あと、レンズキャップの件は、一眼レフユーザーには笑われてしまうのだが、人間は便利に慣れるのは早いものなのだと言いわけしておきたい。DMC-FX01などを使っていて、ポケットから出してサッと写真が撮れると、やっぱりこのリズムだよなぁ、と思ってしまう。
TZ1も、発売から2カ月をすぎて、価格面でもAmazon.co.jpで4万円を切る程度まで下がってきている。カメラを実用品として使い、しっかりとした大きさとグリップが好みのユーザーには、自信を持ってお勧めしたい。
※作例のリンク先ファイルは、JPEGで撮影した画像をコピーおよびリネームしたものです。
※写真下の作例データは、記録解像度(ピクセル)/露出時間/絞り値/露出補正値/ISO感度/ホワイトバランス/実焦点距離を表します。
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広角端では比較的歪みが少なくコントラストの高い写真が撮れる
2,560×1,920 / 1/500秒 / F5 / 0.3EV / ISO80 / WB:オート / 39mm
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遠景での細かい描写はうるさい感じになることもある
2,560×1,920 / 1/500秒 / F5.6 / 0EV / ISO80 / WB:オート / 47mm
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■ URL
松下電器
http://panasonic.jp/
製品情報
http://panasonic.jp/dc/tz1/
気になるデジカメ長期リアルタイムレポートバックナンバー
http://dc.watch.impress.co.jp/static/backno/longterm.htm
( 本誌:伊達 浩二 )
2006/05/24 00:38
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