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ペンタックス Optio A10【第4回】
夜景を撮る(三脚編)

Reported by 中里 和人


 前回のレポートでは、撮影モードを夜景モードにし、手ブレ補正をオンにして、自然な街の描写を目指してストロボ無しの手持ち撮影を試みた。その撮影では街の明かりがメインになっていたため、明るい照明のある状況ではきれいな撮影ができたが、光量が不足気味になる撮影では、手ブレを起こしてしまった。手ブレを回避する夜景撮影として、三脚とストロボが有効になってくるのだが、今回は第1弾として三脚を使った夜景撮影をしてみることにした。

 訪れたのは千葉の船橋港。東京湾の中ではめずらしく沖合いに三番瀬と呼ばれる浅瀬が残り、今も海苔やアサリ、いわしなどを捕る漁師さんたちが暮らしている。その街の海沿いにはいくつかの船溜まりが、住宅やデパートに挟まれるように点在している。

※作例のリンク先は撮影画像です。
※写真下の作例データは、解像度/露出時間/絞り値/露出補正値/ISO感度/ホワイトバランス/35mm判換算焦点距離を表します。



写真1
3,264×2,448ピクセル / 2秒 / F2.8 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 38mm
 最初に訪れたのは、海老川河口にある大きな船溜まり。暗い水面には小舟が浮かび、背景には左にマンション、右にららぽーとの明かりが見えている。三脚を立てたことでブレもなく、画面手前に広がる水面の暗いシャドー部からマンションの明かりまで、暗い夜の中に光と影の美しいコントラストがきっちり描写された(写真1)。

 船溜まりの街灯の下に赤と白のサツキの花が咲いていた。花と背景の街の描写も良く映り込み、街明かりを感じた空がオレンジっぽく発色している。また、銀塩フィルムでは、サツキの花が街灯の影響でグリーンに発色してしまうのに比べ、色補正されるデジタルカメラでは、肉眼に近い自然な発色になっている。

 その花の撮影中、ちょうど車が通り過ぎヘッドライトの明かりが花に少しかかった。そのためやや赤みを浴びた暖かい色合いに変わった(写真2、3)。


写真2
3,264×2,448ピクセル / 4秒 / F2.8 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 38mm
写真3
3,264×2,448ピクセル / 3秒 / F2.8 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 38mm

 花の撮影をして、船溜まりをぶらぶらしていると、どこかサーカステントを思わせる不思議な建物に出会った。近くに行くと公衆トイレだと判明したのだが、見せ物小屋にしか見えない。オートでそのまま撮影してみると、街灯の明りに過敏に反応して、見た目よりも明るく写った。そのため、露出補正を-0.7にしてみると、ほぼ肉眼で見たのに近い夜の暗さに落ち着いた(写真4、5)。

 次回は、ストロボを使った夜の撮影にトライしてみることにする。


写真4
3,264×2,448ピクセル / 2.5秒 / F2.8 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 38mm
写真5
3,264×2,448ピクセル / 1.6秒 / F2.8 / -0.7EV / ISO100 / WB:オート / 38mm


( 中里 和人 )
2006/05/12 14:55
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