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ペンタックス Optio A10【第3回】
夜の町へ

Reported by 中里 和人


 初夏の日差しが眩しく暖かい陽気になってくると、夕暮れから夜にかけての散歩が楽しくなってくる。ここ数年来、夜景を数多く撮ってきていたので、Optio A10でチャレンジする夜の撮影は楽しみにしていた。

 さっそく撮影モードパレットで夜景モードを選択し、夜の街を歩き始めた。今回は手軽に夜景を撮る意味合いから、手ブレ補正をオンにして、自然な街の描写を目指したストロボ無しの手持ち撮影に限ってみた。

 まず最初に撮ったのは、吉祥寺のメインの通りではなく、やや裏通り。地下に下りていく居酒屋の入口である。階段の上に吊るされたウミガメがキャッチーで、壁についた浮き玉や提灯や豆球の明かりが、海辺の店のようでもある。ブレないように壁にからだを寄せて、静かにシャッターを押した。

 オートで撮ったのだが、明るい部分からシャドー部まで肉眼で見た印象に近く、実にきれいな描写になっていて、夜の居酒屋の雰囲気をよく伝えていた(写真1)。

 次に、その中のウミガメだけをアップで撮ってみた。しかし、何枚撮ってもブレてしまう。ズームにして寄ったことでブレやすくなったのかもしれない。光量が少なく、アップで撮るときには手持ち撮影はきびしいようだ(写真2)。

※作例のリンク先は撮影画像です。
※写真下の作例データは、露出時間/絞り値/露出補正値/ISO感度/ホワイトバランス/35mm判換算焦点距離を表します。


写真1
1/8秒 / F2.8 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 38mm
写真2
1/2.5秒 / F5.4 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 114mm

写真3
1/8秒 / F2.8 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 38mm
 その店の近くにあった路地の全景を撮ってみた。1枚撮って液晶モニターで確認したが、やや手ブレを起こしているようだ。もう一度撮ってみたが、やはり少しブレている。かなり街明かりがあったので、もう少しきれいに写ると思っていたのだが、手持ちの限界があるようだ。カメラが小さく携帯性に優れる反面、しっかりしたホールディングができず、シャッターを切る時にどうしてもカメラが動いてしまうようだ(写真3)。

 東京の西から東へ街を移動して、小岩にやってきた。腹ごしらえをした中華料理屋の表に、派手なランタンが吊るされていた。何個かをまとめて写すと、中の電球の透け具合もしっかり出ていて、ぼんやり赤く輝くランタンの表情がよくでていた(写真4)。

 さらに、店の全景を写してみると、店の前の看板の中の店名文字も飛ばずに良く写り、ランタンとのバランスもいい感じで再現されていた。(写真5)


写真4
1/25秒 / F2.8 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 38mm
写真5
1/30秒 / F2.8 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 38mm

 手ブレ補正機構が付いていても、ストロボ無しの夜の撮影では、かなり光量がないと手ブレがおきてしまう事がわかった。ただ、明かりの条件が整ったときには、肉眼で感じるのに近い描写が得られることもわかった。

 夜の撮影は奧が深い。今後、三脚やストロボを使った夜の撮影もレポートしていくことにする。


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( 中里 和人 )
2006/04/28 14:22
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