デジカメ Watch
最新ニュース

松下電器 LUMIX DMC-TZ1【第4回】
得意と不得意

Reported by 本誌:伊達 浩二


 DMC-TZ1が来てから半月以上がすぎた。今回は購入したアクセサリーの話と、今の時点での印象を記しておこう。


カバンがふくらまない高倍率ズーム機

 私が使っているのは、ごく普通の革製のビジネスバッグだが、TZ1は常時カバンの中に入っている。やはりDMC-FZシリーズと比べると、カバンのふくらみ具合には大差があり、入れっぱなしにしていてもさほど気にならない。常時持ち歩ける高倍率ズーム機と言っていいだろう。

 取材に行く際も、カメラを持っていくと特別に意識しなくても、そのままカバンを持っていけばいいので、気が楽だ。

 とりあえず業務に使うために、予備用にバッテリーを1つ買った。型番は「DMW-BCD10」で、価格は5,250円。通販で購入したが、ポイント還元率は13%だった。

 TZ1はバッテリーの持ちがよく、ストロボをほとんど使わない私のような撮り方では500枚撮影しても、まだ余力がある。作例を撮りに半日以上歩き回っても、バッテリーのインジケータの最初のひとつがようやく欠けるぐらいだ。予備バッテリーの目的は、バッテリーの充電忘れと、充電器にバッテリーを入れ忘れた時に備えてなのだ。


予備バッテリー「DMW-BCD10」。ケースが付属する
 ちなみにコダックのデジカメはバッテリーやメモリカードをカメラから出させないという設計思想だったが、TZ1をはじめとするLUMIXはバッテリーやメモリカードをできるだけカメラから取り出すことをためらわない。このあたりはSDメモリーカードを媒体として、TVやHDDレコーダとリンクしようという構想に即しているのだろう。バッテリーとメモリカードのスロットを同じカバーの下に並べているのも、開ける場所をひとつにして、操作を簡単にさせるための配慮だろう。

 というわけで、SDメモリーカードを入れ忘れた時のために、予備のメディアも持ち歩いている。TZ1本体にもフラッシュメモリは入っているのだが約13MBしかないので、あまりアテにできないのだ。

 ついでに純正の革ケースも買った。「DMW-CTA1」という型番で、本革のソフトケースだ。色はブラックとブラウンの2色だが、今回はブラックにした。同色の革製ストラップもついてくる。価格は4,800円で、ポイント還元率は同様に13%だった。

 このケースはクラシックというか懐かしい感じのデザインで、革も柔らかくて好みだ。ただ、本体以外には何も入らない仕様なので、予備バッテリーと予備メディアは別に管理しなければならない。松下の純正ケースはDMC-FX8用もそうだったが、ポケットなどを作らない主義のようだ。次からはサードパーティ製のものも考えようと思っている。


革製のソフトケース「DMW-CTA1」。背面にはベルト通しがある FZ1を収めた図。レンズとグリップの間にSDメモリーカード用のポケットぐらいは作れそう

ややきつめのシャープネス

 日常で一番カメラを使う機会である発表会形式の取材の際は、壇上に立った人が、PowerPointを使ったプレゼンテーションを使って発表するという形式がほとんどだ。TZ1のような手ブレ補正付き高倍率ズーム機だと、着席した状態で、両方とも撮るのに苦労しない。発表会に同席する他社の方々も、専任のカメラマン以外は、このタイプの機種を使っていることが多い。

 高倍率ズームの割にマクロも寄れるので、簡単なブツ撮りにも使えるし、モーター音も小さい、取材用カメラとしてかなり使える。

 作例を撮り歩いているときも、お堂の天井絵などは、TZ1がもっとも得意とするところだ。被写体との距離があり、暗いのでシャッタースピードが稼げないのに三脚が立てられないという状況だ。高層ビルの展望フロアからの撮影も同様だ。

 ちなみにTZ1の画像は、デフォルトの状態でもコントラストが高く、シャープネスが強く設定されているようで、被写体に得手不得手がある。ビルなどは非常にくっきりとした印象になり思っていた以上によく撮れる。逆に苦手なのは引きぎみで撮った複雑な形の被写体だ。東京ではちょうど桜の季節だったので、だいぶ撮ったのだが、広角端で全体を撮ると、花や枝の形がきれいに撮れず、全体にうるさい感じになってしまう。

 逆に高倍率ズームを生かして、被写体をアップにすると、はまった時にはとてもとてもきれいに撮れる。これが分かってからは、オートフォーカスモードも高速1点にして、日の丸構図を怖れずにどんどんアップで撮ることにした。コントラストやシャープネスの設定がカメラになく、弱めることができないのは残念だ。

 連載の最初の回で、TZ1のことを「リラックスしたカメラ」だと書いたが、その印象はますます強くなっている。同じ高倍率ズーム機とはいえ、多少なりと、カメラとしての色気が感じられるFZシリーズとは、まったく別の存在だ。あまり難しいことを考えずに、機能を生かして便利に使うべき道具なのだと思う。

※作例のリンク先ファイルは、JPEGで撮影した画像をコピーおよびリネームしたものです。
※写真下の作例データは、記録解像度(ピクセル)/露出時間/絞り値/露出補正値/ISO感度/ホワイトバランス/実焦点距離を表します。


餃子。マクロモード時はワイド端で5cmまで寄れる
2,560×1,920 / 1/20秒 / F2.8 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 35mm
ある日の昼食。ハンバーグは実物よりおいしそうに撮れている
2,560×1,920 / 1/30秒 / F2.8 / 0EV / ISO160 / WB:オート / 35mm

靖国通り沿いの桜
2,560×1,920 / 1/500秒 / F5.6 / 0EV / ISO80 / WB:オート / 47mm
浅草寺境内薬師堂の桜。花びらや枝の描写はきびしいところ。風景モード
2,560×1,920 / 1/400秒 / F5 / 0EV / ISO80 / WB:オート / 35mm

浅草寺本堂の天井絵
2,560×1,920 / 1/20秒 / F2.8 / -0.3EV / ISO800 / WB:オート / 35mm
左の写真のアップをテレ端で
2,560×1,920 / 1/13秒 / F4.2 / -0.3EV / ISO800 / WB:オート / 350mm

吾妻橋の照明に止まるゆりかもめ
2,560×1,920 / 1/1,000秒 / F3.7 / 0EV / ISO80 / WB:オート / 77mm
望遠端までアップにすると夏毛で顔が黒いのがよくわかる
2,560×1,920 / 1/1,000秒 / F4.2 / 0EV / ISO80 / WB:オート / 350mm

アサヒビールタワーを見上げる
2,560×1,920 / 1/800秒 / F2.8 / -0.3EV / ISO80 / WB:オート / 35mm
桜の下から見上げる浅草ビューホテル
2,560×1,920 / 1/400秒 / F6.3 / 0EV / ISO80 / WB:オート / 118mm

屋根にいる盗賊
2,560×1,920 / 1/125秒 / F4.2 / 0EV / ISO80 / WB:オート / 350mm
呉服屋の店先。こういう被写体は標準設定でも実物よりずっと派手に撮れる
2,560×1,920 / 1/200秒 / F2.8 / 0EV / ISO80 / WB:オート / 35mm

吾妻橋際をゆく屋形船
2,560×1,920 / 1/500秒 / F5 / 0EV / ISO80 / WB:オート / 35mm


URL
  松下電器
  http://panasonic.jp/
  製品情報
  http://panasonic.jp/dc/tz1/
  気になるデジカメ長期リアルタイムレポートバックナンバー
  http://dc.watch.impress.co.jp/static/backno/longterm.htm


( 本誌:伊達 浩二 )
2006/04/19 01:25
デジカメ Watch ホームページ
・記事の情報は執筆時または掲載時のものであり、現状では異なる可能性があります。
・記事の内容につき、個別にご回答することはいたしかねます。
・記事、写真、図表などの著作権は著作者に帰属します。無断転用・転載は著作権法違反となります。必要な場合はこのページ自身にリンクをお張りください。業務関係でご利用の場合は別途お問い合わせください。

Copyright (c) 2006 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.