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ソニー サイバーショット DSC-T9【第7回】
防水ハウジングをためす

Reported by 元麻布 春男


 精密機械にしてエレクトロニクスの塊であるデジタルカメラは水に弱い。当たり前のことだが、この弱点を克服するために2つのアプローチがとられている。1つはカメラの外装そのものを防水/防滴にすること、もう1つはカメラの外側を防水/防滴のハウジングで囲ってしまうことだ。

 本来は前者、カメラそのものを防水/防滴にしてしまうのが一番良いのだろうが、電池や記録メディアといった着脱物のあるカメラを完全防水にすることは簡単なことではない。多くの場合、デザイン的な制約が加わり、それは防水性能を上げれば上げるほど顕著になる。生活防水程度の防水性能であれば、日常の利用にそれほど違和感のないデザインが可能でも、1.5m防水、3m防水、40m防水と防水性能がグレードアップするにつれて、特殊なデザインになっていかざるを得ない。毎週ダイビングに行く、というユーザーならともかく、普段使いには辛くなる。

 ハウジングタイプの欠点は、なんといってもかさばってしまうことだ。カメラの外側にさらにケースをつけるのだから当然だが、カメラそのもののデザインに対する制約は少ない(あまりデコボコしたデザインだとハウジングが作りにくいと思うが)。もう1つの欠点は、カメラごとに用意する関係上、いつでも入手できるとは限らないことだろう。デジタルカメラ、特にコンパクトタイプは比較的商品寿命が短い。カメラ本体がディスコンになったら、そのアクセサリーも入手できなくなることが大半だ。うっかりすると、欲しいと思った時にはハウジングが入手できない、なんてことになるかもしれない。

 と思ったわけでもないのだが、DSC-T9用に用意されている純正の防水ハウジング、スポーツパック「SPK-THC」を購入してみた。防水性能は水深3mまでということで、本格的なダイビングはともかく、シュノーケリングには十分な性能。価格も11,500円と手ごろだ。


スポーツパック「SPK-THC」の内容。スポーツパック、浮きに加え、曇り止め(透明の液体)、防水パッキン用のグリース(青いチューブ)が付属する
純正だけに取り付けは簡単。ピッタリおさまって、遊びはほとんどない
圧雪されたゲレンデの上においたスポーツパック入りのDSC-T9。季節が季節だけに海というわけにもいかず、スキー場に持ち出してみた

 実物を手にして思ったのは、意外とコンパクトだということ。防水ハウジングというと、かさばるもの、というイメージが強いが、カメラ本体が薄型のおかげで、ハウジングを取り付けても、それほど分厚くならないで済む。一番邪魔くさい? のは、水没を防ぐために取り付けられている黄色い「浮き」かもしれないが、カメラが水没してしまうよりマシだろう。

 スポーツパックに取り付けた場合、DSC-T9には機能的な制限が2つ生じる。1つはAF補助光の利用ができなくなること、もう1つは動画撮影時に音声の記録ができなくなることだ。それを除けばカメラの操作は、メニュー操作を含めすべて可能。液晶ディスプレイも見やすい。ハウジングをつけることで、カラーバランス等に影響が出ることも懸念されたが、撮影されたデータを見る限り、その心配もなさそうだ。昨年11月に発売されたDSC-T9だけに、夏まで現行製品としてラインナップに残っているとは限らない。この夏、海辺にDSC-T9を連れ出そうと思っているユーザーは、今のうちに入手しておいた方がよいだろう。

※作例のリンク先は撮影画像をコピーしたものです。


越後湯沢の駅前で。この時点でスポーツパックに収めてあるが、その影響は感じられない
オート(ISO 80相当)
朝の越後湯沢、一本杉スキー場。色温度が低い(赤っぽい)のは、早朝のせい
オート(ISO 80相当)

湯沢高原スキー場から岩原スキー場および巻機山方面を望む。早朝は快晴だったが、時間とともに雲が出てきた
オート(ISO 80相当)


URL
  ソニー
  http://www.sony.co.jp/
  製品情報
  http://www.sony.jp/products/Consumer/DSC/DSC-T9/index.html
  気になるデジカメ長期リアルタイムレポートバックナンバー
  http://dc.watch.impress.co.jp/static/backno/longterm.htm


( 元麻布 春男 )
2006/03/31 01:17
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