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ソニー サイバーショット DSC-T9【第6回】
拡大鏡モードの魅力

Reported by 元麻布 春男


 風景にスナップ、さらにはプロジェクターで投射されるパワーポイントのプレゼンテーションまで、何でもDSC-T9のオートモードで撮ってしまう筆者が、オートモード以外で最も頻繁に使うのが拡大鏡モードだ。拡大鏡モードを一言で表すと、スーパーマクロモード、ということになる。

 DSC-T9では、撮影中に右カーソルキーを押すことで、一部の撮影モード(夜景、風景、打ち上げ花火など、明らかにマクロ機能と排他利用になるもの)を除き、マクロ撮影機能を有効にすることができる。マクロ撮影機能を有効にすると、ズームのワイド端で約8cm、テレ端で25cmまで接近して撮影することが可能だが、これは特筆するまでもない。

 拡大鏡モードは、このマクロ撮影機能を超えて被写体に接近することができる、特殊な撮影モードということになる。光学ズームはワイド端に固定となるものの、被写体に1cmまで近づき、3.5倍に拡大することが可能だ(いずれも最大時)。おそらくそのネーミングからして、最初は撮影することより被写体を拡大して液晶ディスプレイに映し出すことに重点が置かれていたのだろうが、ちゃんとシャッターを押して、画像を保存することができる。

 これがなかなか便利だ。特に、本機が内蔵する光学式手ブレ補正、最大ISO640まで設定可能な高感度と組み合わせると、なかなか侮れない。たとえばイベント等で展示物を撮影する場合、多くの来場者等が殺到して、じっくりとカメラを構えられない場合も少なくない。そんな時でも、手ブレ補正機能を持つ本機なら、人ごみの間で片手を伸ばしてアップをものにすることができる。

 また、屋外でも被写体によっては手を伸ばして撮影しなければならないシチュエーションもある。もちろん脚立や三脚があれば話は別だが、散歩に脚立を持ち歩く人もいないだろう。手ブレ補正と高感度、そして本機のコンパクトさが、片手撮り等のブレやすいシチュエーション、マクロというブレが気になりやすい撮影シーンをかなりの割合で救ってくれるのである。

 もちろん、ちゃんと条件を整えれば、マクロレンズを装着した一眼レフカメラの方が、いいクローズアップ写真を撮れるかもしれない。だが、条件を整えたくても整えられないことはいくらでもある。そんな時、重くてライブビューの見られないデジタル一眼レフより、軽量コンパクトで大きな液晶をファインダー代わりに利用でき、手ぶれ補正と高感度をサポートした本機の拡大鏡モードが頼りになったりするのだ。


白梅。いつものようにオートでパチリ 頭上の白梅の花に手を伸ばして拡大鏡モードで。さすがにこのクラスではボケ味を言われると苦しい

同じく紅梅の花。ピクセル等倍ではボケのうるささがとても気になる 紅梅の木

3月のIDFで初めて公開されたWi-FiとWiMAXを1チップに統合した試作チップ。この手のものの撮影ならボケの問題もなくメリットが最大限に生きる 同じくIDFで公開された65nmプロセスを用いたIntel Coreマイクロアーキテクチャのプロセッサ(300mmウェハ)。大容量のL2キャッシュや2つあるプロセッサコアの様子がちゃんと分かる


URL
  ソニー
  http://www.sony.co.jp/
  製品情報
  http://www.sony.jp/products/Consumer/DSC/DSC-T9/index.html
  気になるデジカメ長期リアルタイムレポートバックナンバー
  http://dc.watch.impress.co.jp/static/backno/longterm.htm


( 元麻布 春男 )
2006/03/24 01:52
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