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ニコン D200【第4回】
MFレンズでポートレートを撮ってみた

Reported by 河田 一規


レンズはAiノクトニッコール 58mm F1.2 S
 D200にはチャームポイントがたくさんあるが、そのひとつがMFレンズへの手厚いフォローである。

 ご存じの通り、D50やD70sにCPUの入っていないMFレンズを装着すると、カメラ内蔵の露出計が働かないため、かなり撮影が面倒なことになっちゃうけれど、D200やD2シリーズではMFレンズを装着してもちゃんと露出計が作動し、マニュアル露出だけではなく、絞り優先AEでも撮影することができる。

 しかも、撮影メニューにある「レンズ情報手動設定」で、装着するMFレンズの焦点距離と開放F値を入力してやれば、RGBマルチパターン測光や表示パネル/ファインダー内への絞り値表示、スピードライト(SB-800、600)の自動ズーミングなどが可能になるほか、Exif情報に焦点距離や設定F値が書き込まれる。つまり、単に「MFレンズも装着できます」というレベルではなく、「MFレンズでもバリバリ撮影できますよ」と言えるほどの本格対応なのだ。

 D200ユーザーの中にはAFニッコールよりもMFのAiニッコールの方が所有本数が多いという人も結構いるんじゃないかと思う。何を隠そうボクもその1人なんだけど、そういう人たちにとって、D200のこのMFレンズ対応は本当にありがたい。


CPUの入っていないMFレンズを使うときは、レンズ情報手動設定で焦点距離と開放F値を入力することで、D200の多くの機能が使用可能になる
開放絞りの方はF1.2からF22まで設定できる

焦点距離はいくつかにグループ分けされているので、目的の焦点距離に素早くたどり着ける

 というわけで、非常に有効なレンズ情報手動設定なんだけど、いくつか問題もある。例えばMFのズームレンズを装着したとき、ズーミングして焦点距離や開放F値が変化した場合は、その都度設定をし直してやる必要があるということ。MFレンズはズームよりも単焦点の方が魅力的なレンズが揃っているので、現実的にD200にMFのズームレンズを装着するケースは意外と少ないのかもしれないけれど、もしMFズームを使う場合はちょっと注意が必要だ。

 あと、設定できる情報が常に1本分なのはちょっとツラい。できれば5本分くらいの情報をあらかじめセットしておき、それを選択できるようになっているとさらに便利ではないだろうか。ただし、現状でも焦点距離と開放F値はセットで記憶されるため、一度設定すれば次からは焦点距離だけ設定することで開放F値は自動的に呼び出される。願わくば、非CPUレンズを装着したときに限り、カメラ上面の液晶表示部に現在設定してある焦点距離と開放F値が常時表示されるようになっていれば言うことナシなのだが。

 さて、今回使ったMFレンズは

 Aiニッコール 35mm F1.4 S
 Aiノクトニッコール 58mm F1.2 S
 Ai(改)ニッコール 20mm F4

の3本。

 いずれのレンズもD200に装着すると実によく似合い、カッコイイ。

 完全に個人的な好みなのだけれど、レンズの外観デザインについては最新のAFニッコールよりもAiニッコールの方が好きだ。

以下、作例撮影はすべてRAWで行ない、Nikon Capture 4.4.0にてホワイトバランスの微調整、トーンカーブによる明るさ調整のみ行ない、TIFF形式で保存した。編集部でPhotshop CSによりJPEG形式に変換した。


Aiニッコール 35mm F1.4 S

 AFニッコールの35mmはF2バージョンしかないので、その意味でも大口径F1.4のこのレンズは価値がある。開放ではわずかに像がにじむ感じでコントラストも明らかに低いが、それも味わい深い。1段絞ると急激にコントラストが上がって開放時のソフトな描写とはかなり印象の異なる絵になるため、硬軟両方の描写が楽しめる1粒で2度おいしいレンズだ。このレンズはまだ現行品なので、新品で買える。


絞り開放だと、ちょっとフォギーな優しい描写になる。電話のカールコードが奥へ行くに従って緩やかにボケていく様子は非常に美しい
3872×2592 / F1.4 / 1/180 / ISO100 / WB:オート / RAW
F2.8で撮影。絞り開放の画像とはまったく異なるシャープでパキッとした印象になる。絞りの設定で描写が激変する使いこなしがいのあるレンズである
3872×2592 / F2.8 / 1/125 / ISO100 / WB:オート / RAW

Aiノクトニッコール 58mm F1.2 S

 削り出しの非球面レンズを使った贅沢なレンズ。夕景や夜景撮影を目的としているため、フレアやコマ収差が徹底的に補正されている。設計は相当以前なので、デジタルのことはまったく考慮していなかったと思われるが、フレアやコマ収差が少ないことはデジタルでも相当にプラスとなるはずだ。フィルター径は52mmと小さいが、ピントリング部はかなり太く、ツチノコのようにずんぐりとした個性的な外観も魅力。

 描写は大口径特有の線の細かいデリケートな写り。このレンズと同時期にラインナップされていたAiニッコール 50mm F1.2 Sと比べ、開放F1.2でもノクトニッコールの方が解像感が高い。数年前に惜しまれつつ絶版となり、現在は中古で価格が高騰しているようだ。


F5.6まで絞ってしまうと、このレンズの美味しさはあまり感じられない
3872×2592 / F5.6 / 1/10 / ISO100 / WB:オート / RAW
同シチュエーションで絞り開放にすると一気に世界が変わる。ボケ方の上品さがすばらしい。ピント合わせは超シビアだが、F1.2〜F2で撮ってこそ、このレンズの真価が発揮されると思う
3872×2592 / F1.2 / 1/180 / ISO100 / WB:オート / RAW
58mmはフルサイズ換算で87mm相当の中望遠となり、長めのポートレートレンズとして、焦点距離的にも手頃だ
3872×2592 / F1.2 / 1/160 / ISO100 / WB:オート / RAW

Ai(改)ニッコール 20mm F4

 もともとは非Aiレンズだが、入手したときはすでにAi改造されていた。

 かなり古いレンズで最新レンズと比べると色味も少し違うが、デジタルならホワイトバランスを微妙に調整することでカバーできる。

 下の作例を見てもらえば分かるとおり、写りはかなりシャープで、曖昧さのない明快な描写をする。線は少し太めに描写されるが、その分、力強い印象になるのが特長だ。開放でもF4と暗く、焦点距離の短さと相まって、さすがのD200の見やすいファインダーでもピントはほとんどわからないため、ピント合わせはすべて目測で行なった。


今どきあり得ないほど暗い単焦点レンズだが、素性はよく、歪曲も少ない
3872×2592 / F5.6 / 1/8 / ISO250 / WB:オート / RAW
この時代のレンズにしては逆光にも意外と強い
3872×2592 / F5.6 / 1/6 / ISO100 / WB:オート / RAW

ピント合わせはファインダーではムリッぽい(特に暗いシーンでは)ので、ピント合わせは目測がベターだ。被写界深度が深いので、何とかなる
3872×2592 / F5.6 / 1/1.5 / ISO100 / WB:オート / RAW
フルサイズ換算で30mm相当。ワイド感はさほど感じないが、嫌みのない遠近感で、室内撮影でも使いやすい
3872×2592 / F5.6 / 1/13 / ISO200 / WB:オート / RAW

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( 河田 一規 )
2006/02/01 15:43
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