デジカメ Watch
最新ニュース

オリンパス E-500【第6回】
新型魚眼で昆虫を撮る

Reported by 安孫子 卓郎


知人がツインフラッシュの発光部を、コントローラーに直接取り付けていた。彼はシューを直接接着していたが、まねして取り付け用のリングをビニールテープでコントローラー上部に固定、発光部を下に向けてみたところ。簡易だけれどもうまくゆくようだ
 ZuikoDigitalは、超高級路線のスーパーハイグレード、お値打ち品のハイグレード、普及価格のスタンダードと3つのシリーズに分類されている。筆者が、もっともフォーサーズのメリットを出していると考えるハイグレードシリーズに、魚眼レンズが加わった。

 昔は、魚眼というのはそれほど使えるレンズではなかった。あまりに画角が広すぎるし、デフォルメも大きいので、おもしろいのだけれども常用する人は少なかった。ただデジカメ時代になってから発売された魚眼レンズは、今までよりも使えるレンズになっている。最短撮影距離が短くなり、レンズ前数cmのマクロ撮影が行なえるからだ。ところが今度はまた別の問題が発生してきた。おなじみのゴミだ。被写界深度が深いだけにゴミが写り込みやすい。さらに画角が広いので、たいがい空がはいりこむ。空が写るとゴミも目立つので、魚眼マクロはもっともゴミに悩まされるレンズとなってしまった。

 そういうわけでZuikoDigital ED 8mm F3.5 Fisheyeは、魚眼マクロ派待望のレンズといえる。レンズ前2cmまで接近出来るので、ノーマル仕様の魚眼レンズでは最短ではないかと思われる。発売日に早速購入し、翌日オリンパスユーザーの知人達と多摩動物公園昆虫館へ、テスト撮影に出かけた。ここの昆虫生態園は、一年中蝶が舞い、格好の撮影スポットとなっている。撮る物の少ない冬場にはありがたい場所なのだが、温室なのでレンズが曇る。またコートなど着ていくと暑くて大汗をかく。従ってここにゆくときは、まず昆虫館の本館にはいって、見学がてらレンズを暖めておくことと、脱げるコートなどで暖かくしてゆくことがお奨めだ。下着を着込んで暖かくしておくと、汗をかいて後が大変である。

 この日はどんよりした天候で、相当暗かった。午後からは雨も降り出してきて、温室だから雨でも平気なように思われるが、ガラス越しだけに一段と暗くて難儀してしまった。逆にガラス越しだけに晴れているときは光も和らぐ。晴れている日の午前中に出かけるのがベストだろう。午後になると蝶達はおやすみに入り、3時頃にはほとんどの蝶が寝てしまう。

 ローパスはゴミゼロオリンパスだから安心とはいえ、レンズの外にゴミが着くのは避けられない。特にマクロで接近を試みていると、知らず知らずのうちにかなりゴミが付いてしまう。ブロアーとクリーニングキットを持参するのが好ましい。いきなり拭くと傷つくこともあるので、まずブロアーでゴミを吹き飛ばしてから、クリーニングする。

 この日集まったのは6人だが、そのうち4人が魚眼を購入していた。宴会から参加した一人を含めれば、7人中5人が購入しており、かなり濃いオフとなった。さすがに使い込んだメンバーだけに、いろいろなヒントをもらって私もだいぶ参考になった。当日は暗すぎて厳しかったので、後日、晴れを選んでリベンジに出かけた画像と併せて、掲載する。


※作例のリンク先は撮影画像をコピーしたファイルです。
※作例データは、記録解像度(ピクセル)/露出時間/レンズF値/露出補正値/ISO感度を表します。


ツインフラッシュによる作例、上記のセットで撮影している
3,264×2,448 / 1/160秒 / F11 / 0EV / ISO125
3,264×2,448 / 1/30秒 / F11 / -0.7EV / ISO100

ツインフラッシュを持っている人は少ないと思うので、もう少し一般的なFL-50で撮影してみたが、ほとんどけられることなく光は回るようだ。ワイドパネルを使用し、発光部をやや下に向けておけば良いだろう
3,264×2,448 / 1/50秒 / F11 / -0.3EV / ISO100
外が雨で、ISO800でF3.5 1/50と非常に厳しいコンディション。温室とはいえ晴れている日に出かけるのがお奨めだ。後で調べたら、魚眼とは言えレンズ前2cmでは、開放での被写界深度は2mm程度。甘く見てはいけない
3,264×2,448 / 1/50秒 / F11 / -0.3EV / ISO100

テレコンを使う

 Fisheye 8mmには、1.4倍のテレコンを装着することができる。そうすると11.2mm相当の超広角レンズになる。レンズ前2cmの簡易ワイドマクロが誕生するわけ。昆虫なら魚眼のままでも良いのだが、花と風景を写したいときにはこちらが好適な場合もあるだろう。

 テレコンを付けても、元が魚眼なのでそれでもゆがみは大きいが、OLYMPUS Studioでゆがみ補正をかければ修正が効く。もちろんレタッチでゆがみを正すわけだから周辺部は流れるが、理解して使えばメリットはある。


テレコン装備時の作例
3,264×2,448 / 1/200秒 / F5.6 / 0EV / ISO400
もちろん昆虫ばかりではなく、犬も撮れる。ただしあまり接近するとレンズをなめられる。Zuiko Digitalは逆光に強いので、太陽が入りやすい魚眼も安心だが、レンズにゴミが付いているとフレアーやゴーストの原因となるので、ブロアーできれいにしておこう
3,264×2,448 / 1/200秒 / F8 / 0EV / ISO100


URL
  オリンパス
  http://www.olympus.co.jp/
  製品情報
  http://olympus-esystem.jp/products/e500/
  気になるデジカメ長期リアルタイムレポートバックナンバー
  http://dc.watch.impress.co.jp/static/backno/longterm.htm


( 安孫子 卓郎 )
2006/01/20 00:21
デジカメ Watch ホームページ
・記事の情報は執筆時または掲載時のものであり、現状では異なる可能性があります。
・記事の内容につき、個別にご回答することはいたしかねます。
・記事、写真、図表などの著作権は著作者に帰属します。無断転用・転載は著作権法違反となります。必要な場合はこのページ自身にリンクをお張りください。業務関係でご利用の場合は別途お問い合わせください。

Copyright (c) 2006 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.