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ニコン D200【第1回】
D200がやってきた

Reported by 河田 一規


 仕事柄、新しいカメラをいち早く使わせてもらえる機会は多いのだけれど、実際に使ってみて「こりゃ欲しいゼッ!」と思わせてくれる機種は意外と少ない。あまりに多くのカメラに触れすぎて、感動する心のセンサーが鈍化してしまったのだろうか……。

 そんな中、D200は手にした瞬間に「こりゃ買うな」と直感したカメラだ。ニコンらしいメカッぽい外観と、シャッターを切ったときに感じる緻密な作動感。ボクにとって手に入れるべき理由はそれだけで十分だった。

 というわけで、予約受付開始初日に速攻で予約を入れ、待つことおよそ1カ月半(長かった……)。発売日である12月16日の午前中にボクのD200は無事配送されてきた。ニコンはたまに発売日が延期されたりするので、ちょっと心配だったけれど、ちゃんと予定通り発売されて一安心である。


発売日の午前中に無事到着。ゴールドに輝くD200の箱がまぶしい!
 ワクワクしつつ早速ハコを開けてD200本体を取り出し、同梱の電池を入れてシャッターを切ってみる。

 「カシャ!」

 う~ん、これこれ。このシャッターの感触がやっぱりイイんだよね。

 同じニコンでもD70sとかD50といった普及機の場合、デジタル部のデキはまずまずなんだけれど、予算配分的にカメラ部はちょっとおろそかにならざるを得なくて、そのしわ寄せがどうしてもレスポンスとかに表れてしまう。例えば、シャッターボタンを押しても実際にシャッターが切れ始めるまでに一瞬の間があったりする。

 ところが、D200では上位機種であるD2系のメカパーツがふんだんに使われているせいか、抜群のレスポンスでシャッターボタンを押せば間髪を入れずにシャッターが切れる。あと、ミラーの動きも速いので、

 シャッターを切る→ミラーが上がる→シャッター幕が作動する→ミラーが下がる

といった一連のシーケンスが非常に滑らか&スピーディであり、動作がすごく洗練されているように感じられるのだ。

 ボクの場合、このシャッターを切ったときの感触だけでもD200を買う価値はあると考えている。だって、すごく「撮る気」になるもんね。

 ひとしきりシャッターの感触を楽しんだあとは、電池を抜いて充電である。その間にストラップを取り付けることにしよう。

 D200にはなかなか立派なストラップが付属しているのだけれど、この付属ストラップは個人的には幅が広すぎてちょっと好みではない。一般的に幅の広いストラップの方がカメラの重さが分散されて楽なように思われていて、確かに重量級のレンズを装着した場合などはそれも一理ある。けれど、常用域のレンズ+D200では大して重くないわけで、幅の広いストラップでは肩との接触面積当たりの荷重が少なく、むしろ滑りやすくなる。それを避けるためには少し幅の狭めなストラップにすることで、単位面積当たりの荷重を増やせばいいだけだ。クルマに例えると、雪道では幅の広いタイヤよりも幅の狭いタイヤの方が荷重がかかってよくグリップするのと同じ理屈である。特に、なで肩の人や、滑りやすい素材(スムースレザーとか)の上着を着る人は、幅が狭めのストラップの方がズリ落ちにくいのでぜひお試しアレ。

 な~んて、妙なヘリクツをこいてしまったが、これはあくまでも私見である。ストラップはユーザーが行なえる数少ない外見上のカスタマイズポイントだけに、みんな好きなストラップを楽しめばいい。

 で、ボクが注目したのはアルティザン&アーティスト( http://www.aaa1.co.jp/ )というメーカーの製品。ここはもともとコスメバッグなどで有名なメーカーだけど、そのノウハウを生かしてオシャレぽいカメラバッグやストラップを数多くラインナップしている。

 同社のストラップはライカ等のレンジファインダーカメラを想定しているせいか、幅の狭いタイプが主流だけど、いくら細めが好きとはいえ、幅が10mm台のものではD200には細すぎるので、最大幅部分が25mmの「ACAM-104」という製品を選んでみた。

 早速D200に取り付けてみたが、なかなかイイ感じ。幅狭ストラップが好きな人にはお勧めできる。


付属の純正ストラップ。未使用なので未開封
アルティザン&アーティストのACAM-104というストラップを購入。箱もシャレてます

D200に取り付けたところ。部分的に本革も使われており、高級感のあるストラップだ

 ストラップ取り付けの次に行なったのが撮影メニューやカスタムメニューの設定だ。D200のカスタム項目は47項目もあるが、ボクがデフォルト状態から変更したのは、

a2 AF-Sモード時の優先条件を「フォーカス」から「レリーズ」に
a8 フォーカスエリア循環選択を「しない」から「する」へ
b5 露出補正簡易設定を「OFF」から「ON」へ
d6 連番モードを「OFF」から「ON」へ
e8 フラッシュ時シャッタースピード低速制限を「1/60秒」から「1/8秒」へ

といったところ。また、撮影メニューでは、JPEG圧縮を「サイズ優先」から「画質優先」に変更した。


カスタムメニューは内容別にa~fの6つに分かれており、目的の項目を探しやすい
デフォルトから変更されている項目には頭に*マークが付く

 ちなみに、a2についてはデフォルトではAFが合焦していないとシャッターが切れないのを、合焦・非合焦にかかわらず、いつでもシャッターが切れる設定で、これは広角レンズなど被写界深度の深い条件でスナップするときは便利な機能。

 b5は、サブコマンドダイヤルを回すだけで露出補正できるようにする機能(デフォルトでは露出補正ボタンを押しながらメインコマンドダイヤルを回す)。

 e8は、絞り優先AE時等のストロボ撮影で、必要に応じてシャッター速度が1/8秒まで落ちる機能だ。デフォルトでは暗い場面だと自動的に1/60秒に制御されてしまうが、これだと背景が暗くなってしまうので、それを避けるために設定した。

 これ以外についてはどの状態が自分にとって使いやすいのかまだ分からないので、使っていくうちに追々設定していきたいと思う。

※作例のリンク先は撮影画像をコピーしたものです。
※写真下の作例データは、レンズ/記録解像度(ピクセル)/絞り値/露出時間(秒)/露出補正値/ISO感度/ホワイトバランス/実焦点距離を表します。


JPEG撮影時のパラメータは色々と試しているところ。これは仕上がり設定を「鮮やかに」で撮影した。ちょっとリバーサルぽい感じで、風景には相性がよさそうだ
タムロン17-35mm / 3872×2592 / F8 / 1/320 / +0.3EV / ISO200 / WB:晴天 / 17mm
本文ではカメラ性能ばかりを取り上げたが、もちろん画質もかなりよい。これはRAWで撮影し、Nikon Capture 4.4でトーンカーブを若干S時にしてコントラストを付けたもの。TIFFで保存して、PhotoshopでJPEGに変換した
VR Zoom Nikkor 18-200mm / 3872×2592 / F5.3 / 1/640 / ISO200 / WB:オート / 120mm

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( 河田 一規 )
2006/01/11 15:38
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