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リコー GR DIGITAL【第7回】
デンマークの冬

Reported by ケニー・オブライエン


 デンマークのコペンハーゲンに2日滞在し、童話作家アンデルセンの生誕地であるオーゼンセ(Odense)に行った。日本語のガイドブックなどでは「オーデンセ」と表記されているが、現地の人に発音を確かめたところ、英語の「L」と同じ舌の位置で「ゼ」と発音するといいと教えられた。また方言では「オーエンセ」にもなるとのことだ。デンマーク語はスペルから発音を類推できなくてハードルが高い言語だと感じているが、たいていの場面で英語が通じるので、いままで一度も困ったことはない。

 コペンハーゲン空港は雪で混乱していた。バゲージが出てくるまで3時間も待ったが、私は幸運なほうだった。乗り継ぎ客のはすべて間に合わなかったようだ。バゲージを機内に持ち込むつもりだったが、スカンジナビア航空の重量制限がいつの間にか8kgになっていて、制限を3kg超えていたために預けざるをえなくなった。それにしてもカメラマンにとって、最大8kgはきびしすぎるだろう。

 到着当日は横なぐりの雪だったが、気温はそれほど低くはなく、零下2度。今回の旅で試したかったのは低温下での動作だが、この程度では極端な状態にはならないのでは、という予感がした。昨年2月にロシアのハバロフスクに行ったときは、晴天の日中で気温が零下24度だった。デジタルカメラを取り出して外気に触れた状態にしていたら、10分ほどでバッテリー残量が半分以下になってしまった。

 コペンハーゲン到着の翌日に列車でオーゼンセに向かった。停車駅が少ない特急「インターシティ・リュン」なら1時間強である。私が乗るコペンハーゲン中央駅が始発なのに、発車時間になっても来ない。結局15分遅れで出発した。デンマーク語で放送していたようだが、乗客の様子からするとたいした理由ではなさそうだった。ヨーロッパでは列車の遅れはあたりまえだ。

 デンマークは半島とたくさんの島からなる国で、コペンハーゲンとオーゼンセは別の島にあり、途中の海峡は海底トンネルと長大橋で渡る。開通してからまだ10年足らずで、それまでは列車を連絡船に積んでいた。オーゼンセでは日中の気温が2度。天候は晴れたり曇ったり小雪が舞ったりと、変化が激しかった。

※作例のリンク先は撮影画像をコピーしたものです。
作例データは、記録解像度(ピクセル)/露出時間/レンズF値/露出補正値/ホワイトバランス/35mm判換算での焦点距離を表します。


ホテルの部屋から雪のコペンハーゲン市内を
3,264×2,448 / 1秒 / F4 / 0EV / ISO64 / WB:昼光 / 28mm
オーゼンセでのつかの間の青空。随所にあるこのモチーフは切り絵の名人でもあったアンデルセンの「太陽」で、デンマーク国鉄の乗車券のデザインにも使われている
3,264×2,448 / 1/410秒 / F4 / 0EV / ISO64 / WB:昼光 / 28mm

市内中心部にあった即席スケートリンク。左端の子どもは直後に転んだが、私のせいではない
3,264×2,448 / 1/125秒 / F4 / 0EV / ISO64 / WB:昼光 / 28mm
Sct.Knuds教会。ここにもアンデルセンの切り絵が
3,264×2,448 / 1/79秒 / F4 / 0EV / ISO64 / WB:昼光 / 28mm

 GR DIGITALの使用温度範囲は摂氏0〜40度、保存温度範囲は摂氏-20〜60度となっている。当日のオーゼンセの気温は、使用温度範囲内だ。私はいつも温度計を持ち歩いているわけではなく、気温の確認は公共の場所に設置してある気温表示を見ている。寒い地域ではよく目にするものだ。零下30度を下回ると外出禁止になる都市もあるし、生命にかかわる情報である。

 同梱のリチウムイオン充電池がなくなるまで撮れた枚数は3,264×2,448ピクセル、FineモードのJPEGで、196枚。ストロボはほとんど使っていないが、手ブレ防止のための2秒間セルフタイマーはときどき使った。CIPA規格に準拠した条件では250枚となっているので、やはり寒さの影響を受けたのだろう。


お気に入りネックストラップを装着した状態
 前回の函館ではGR DIGITALに純正ネックストラップを付けていた。しかしデンマークでは、私が使い続けてきたものに戻している。本来はカメラ用ではなく、IDカードなどを首から提げるためのものだ。そのため、先端がナス環になっている。かなり前にメリーランド大学のブックストアで買ったもので、たしか2ドル程度だった。

 なぜこれが気に入っているかというと、常用しているハンドストラップと同時に利用できるからだ。普段は腰のベルトにカメラ用のケースをつけ、撮影時にカメラを取り出し、ハンドストラップを手首にかけて撮影する。

 ただし寒いところでは防寒の厚いジャケットを着ているため、カメラを腰のケースから取り出しにくい。そこでネックストラップのナス環をハンドストラップの根本付近に取り付けて首から提げ、ジャケットのジッパーを閉めて保温している。卓上三脚を使うときはナス環をはずせばいい。色が赤なのは理由がある。私は小物類はなくさないように目立つ色を選ぶことが多いのだ。メリーランド大学のスクールカラーは赤・黒・黄色の3色で、それぞれの色のうち迷わず赤を選んだ。

 ただ今回は低温でのバッテリーのもちを調べたかったこともあり、ネックストラップで首から提げて、なるべくジャケットの外に出しておいた。オーゼンセはアンデルセン博物館などがある観光地なので、カメラを首から提げて歩いている人は多い。カメラを持っていたり提げていると、道を聞かれなくてすむ。手ぶらで歩いていると、なぜかよく道を聞かれるのだ。

 函館でも感じたが、マグネシウム合金製のソリッドなボディはよく冷える。ラバーで覆われたグリップ部分はいいが、ボディに触れている右手の指先に、かなりの冷たさを感じる。構えるために添えた左手の指先も、ボディに触れているので冷たい。じゃあ手袋をすればいいだろうと言われそうだが、操作しにくくなるので、がまんできるうちは手袋をしないでいる。手先の感覚が鈍いのか、私は気温が0度ぐらいまでは手袋をせずに袖の中やポケットに手を入れている。

 現地で試しに手袋をして操作してみた。ポリエステル・フリース製で、それほど厚手のものではない。レリーズボタン、ふたつのダイヤル、露出補正に割り当てたデジタルズームスイッチは、手袋をしていても思ったより操作しやすい。ただしMENU/OKボタンやその周囲のボタンは押しにくく、誤って隣を押してしまうこともあった。

 ヨーロッパの冬は、日照時間が短い。完全に明るくなるのは午前9時過ぎで、午後3時になるとISO64での手持ち撮影はきびしい。日が陰ってくると路面が滑るようになってきた。GR DIGITALのボディは、触りたくないほど冷えている。コペンハーゲンに戻るインターシティ・リュンはオーゼンセ駅に16分遅れで到着した。車内はかなり暖かかったが、カメラのボディはコペンハーゲンに着いてもまだ冷たかった。GR DIGITALのボディは一度冷えるとなかなか暖まらない。そのせいか、いままで使ってきたコンパクトデジタルカメラでは見られなかったメリットを発見した。次回にお伝えしよう。


Sct.Albani教会。デンマークでは自転車専用レーンが歩道に設置されている。この状態でも無理に乗っている人がけっこういた
3,264×2,448 / 1/64秒 / F3.5 / 0EV / ISO64 / WB:昼光 / 28mm
アンデルセン博物館に行く途中。たまたま国旗があったので入れてみた
3,264×2,448 / 1/52秒 / F4 / 0EV / ISO64 / WB:昼光 / 28mm

照明がついていて暖かそうなのが、アンデルセンの家
3,264×2,448 / 1/60秒 / F4 / 0EV / ISO64 / WB:昼光 / 28mm
オーゼンセ中心部。照明がともるとほっとする。デンマークの照明器具が有名なのもうなずける
3,264×2,448 / 1/10秒 / F4 / -0.7EV / ISO64 / WB:昼光 / 28mm


URL
  リコー
  http://www.ricoh.co.jp/
  製品情報
  http://www.ricoh.co.jp/dc/gr/digital/
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( ケニー・オブライエン )
2006/01/10 00:01
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