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リコー GR DIGITAL【第6回】
カメラに「おまかせ」

Reported by ケニー・オブライエン


 私はGR DIGITALのさまざまな設定を、あまり変えないで使っている。ホワイトバランスはオートのままだし、ISO感度は日中は64で、暗くなるとオート。測光はマルチ、AFもほぼマルチだ。よくいじるのは露出補正ぐらいだろう。

 もともとものぐさではあるが、GR DIGITALでは個人的には特に変える必要がないと思っている項目が多い。かつて使っていたデジタルカメラでは測光方式をスポットに変えることもよくあった。GR DIGITALでも買った当初はいろいろ変えて試してみたが、輝度差がかなりあってもマルチ測光でバランスよく写るので、測光方式はほぼすべてがマルチだ。

 AFもたいていはマルチだが、風景などではときどきは無限遠にしている。2.5mに固定される「スナップ」はタイムラグをさらに減らせて便利そうだが、まだ私の撮影シーンでは活用できていない。

 ホワイトバランスもオートのままでもかなり自動補正してくれて、蛍光灯の下でも極端に緑に傾かない。光源の色温度がそのまま写るほうが面白いと思っているので、蛍光灯でも白熱灯でもある程度補正してくれるGR DIGITALは、ちょっとやりすぎに感じる。ただしこれは好みの問題だから、GR DIGITALのホワイトバランス自動補正をほめるべきだろう。ホワイトバランスは、詳細設定ではアンバー側からブルー側まで、16段階で変更可能だ。

 画像設定は、コントラスト、シャープネス、色の濃さをそれぞれ-2〜+2の5段階で変更できるようになっているが、これも特に変更していない。いちおういろいろ試してみたが、GR DIGITALの自然で素直な写りが気に入っているので、今後も変えることはなさそうである。

 画像サイズは低圧縮JPEGの3,264×2,448ピクセルで、ときどきRAW同時記録に切り替えている。3:2のアスペクト比も選べるが、広めに記録できたほうがいいと思っているので、特に使おうとは思っていない。

 このように私は設定をあまり変えないで使っているが、撮影行為そのものに関わるさまざまな設定を2つまで登録できる「マイセッティング登録」は、すべて登録してある。これは次回の電源投入時に起動する設定を選べるようになっていて、[設定1]から[設定2]に変更したい場合は後者を選んで電源を切り、再度電源を入れると変更される。


ADJ.ダイヤルを押し込むと一部の設定項目が現れる ADJ.ダイヤルの設定。ISO感度などをユーザーが追加設定できる [設定1]と[設定2]を保存し、起動ごとに切り替え可能

画像設定は各5段階 マイセッティングの保存画面 コンパクトでは珍しくAdobe RGBでの記録も可能

 私の場合、[設定1]ではすべてオート、[設定2]ではISO64でホワイトバランスはデイライトにしている。画質に関わる項目はいずれもデフォルトのままだ。撮影時に変更しそうな項目だったのでこのように登録したが、白状すると[設定2]へはほとんど切り替えていない。その理由は、単にものぐさだからではない。

 [設定2]で変更して登録している項目が少なすぎるのだ。もっと連写だとかマニュアルフォーカス時のフォーカス位置だとか、画像設定だとかを変えて撮るのなら便利なのかもしれないが、変更するのはせいぜいISO64←→オート、アンダー側への露出補正ぐらい。これではマイセッティング機能の必要はない。そしてADJ.ダイヤルと、デジタルズームのスイッチに割り当てた露出補正操作の使い勝手がとてもいいので、これらだけで用は足りてしまっている。

 というわけで、ほとんどの設定を変更せずに、GR DIGITALおまかせで撮っている。普段は絞り優先AEにしているので、絞り値は多少変更するが、そのほかはほぼ露出補正のみ。マニア向きだといわれているGR DIGITALであり、いろいろな項目を細かく設定できるものの、私がそれを利用していないのは、基本性能がよいからだといえるだろう。せっかく素直に写るのに、コントラストやシャープネスを上げようとは思わない。


 最近、仕事でソウルに行った。取材の記録用としてはCaplio GX8を使ったが、自由時間に持ち出したのはGR DIGITALだ。ソウルは街並がどんどん変わっている。前回あれを撮りのがしたと思って半年後に行くと、一角がサラ地になっていたりする。ソウルはけっこう起伏のある都市で、かつては古い家屋が斜面にこびり付くように密集していた。ところがそのような地区は加速度的に減っていて、代わりに食パンのような平べったい高層アパートが林立している。韓国では地震がほとんどないらしいが、見ていてとても心配になる。

 ソウルでの“28mm相当”はGX8で体験済みだったので、GR DIGITALにも期待が高まっていた。改めて思ったのは、GR DIGITALでの「青空」だ。12月初めで、気温はすでに零下だったが、すがすがしい青空だった。露出をアンダー側に補正しながら数枚撮って確認。空の青さが増していくのが気持ちいい。

 ホテルを出て地下鉄で向かったのは、過去に何度か撮影に行った「旧把撥(クパバル)」。ソウル特別市の北西のはずれだ。ここには古い街並が残っている。軒の低い家屋に入り組んだ路地。ソウルでは貴重な一角になっていくかもしれない。こういう場所では、やはりコンパクト機がいい。というのは、旧把撥はソウルではもっとも北のはずれにあるので、いかにもという感じの一眼レフカメラで撮ると怪しまれる恐れもあるからだ。

 路地の撮影を終えて、地下鉄3号線で次の撮影地に向かう。ソウルは市の中心に山がそびえ、それが川幅1kmの漢江(ハンガン)に向かって急速に落ち込んでゆく。以前からその周辺を歩いてゆっくり撮りたいと思っていたが、今回は仕事の合間なので時間が少なかった。「玉水(オクス)」を選んだのは、地下鉄3号線の玉水駅が漢江を渡る鉄橋の手前から高架線になっていて、駅付近からロケハンができるからだ。ちなみに韓国の地下鉄構内は撮影禁止である。

 玉水では、旧把撥とは対照的に現代の街並を撮ろうと思っていた。駅の周辺には高層アパートが密集している地区がいくつもある。GR DIGITALの広角が活かせる場所だ。撮っているうちに、やはり青空を入れたくなった。玉水には観光物件はまったくないが、起伏のある地形、漢江沿いの風景、それを越えていく橋など、とてもソウルらしい風景だと思っている。

 ソウルも寒かったが、年末年始はGR DIGITALといっしょにもっと寒いところへ行く予定だ。

※作例のリンク先は撮影画像をコピーしたファイルです。
※作例データは、記録解像度(ピクセル)/露出時間/レンズF値/露出補正値/ISO感度/ホワイトバランス/35mm判換算の焦点距離を表します。


泊まったホテルの部屋から南山(ナムサン)を見ながら。窓が開かなかったのでガラス越しに。頂上に立っているのは、つい最近名称が「Nソウルタワー」になった
3,264×2,448 / 1/12 秒 / F4 / 0EV / ISO64 / WB:オート / 28mm
ソウル市恩平区旧把撥洞にて。単なる広告施設のようだが、敵の車両が下を通ったときに爆破するという説がある。ソウルより北側にしかない
3,264×2,448 / 1/810 秒 / F4 / 0EV / ISO64 / WB:オート / 28mm

旧把撥の民家。韓国の古い民家は軒が低い
3,264×2,448 / 1/1,000秒 / F4 / -1EV / ISO64 / WB:オート / 28mm
旧把撥の路地。気を付けないと迷って出られなくなる
3,264×2,448 / 1/710秒 / F4 / -0.7EV / ISO64 / WB:オート / 28mm

ソウル市城東区玉水洞にて
3,264×2,448 / 1/1,070秒 / F4 / -0.7EV / ISO64 / WB:オート / 28mm
玉水駅の近く。頭上の高架は道路と地下鉄で、このまま漢江を渡る
3,264×2,448 / 1/270秒 / F4 / -1EV / ISO64 / WB:オート / 28mm


URL
  リコー
  http://www.ricoh.co.jp/
  製品情報
  http://www.ricoh.co.jp/dc/gr/digital/
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( ケニー・オブライエン )
2005/12/26 00:00
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