今回のテーマは夜景撮影。松下電器のデジカメはISO感度を上げるとノイズが目立つことが指摘されている。以前に比べるとかなり改善されてきたが、LX1は、どれくらい良くなっているのだろうか。とにかく実験あるのみ。隅田川のリバーサイドテラスで作例を撮ることにした。
結論としては、ISO感度を上げて撮影した結果はあまり良くなかった。意外だったのは、ISO80から100に上げただけでノイズが一気に増えたこと。ISO100のノイズはISO400ほどひどくないが、やはり夜景撮影のときはISO80に限る。
ちなみにシーンモードで夜景を選ぶとISOは自動的に80にセットされる。最近の都会の夜景はかなり明るく、ISOを400に上げれば手持ち撮影が可能なことも多いし、松下電器のお家芸である手ブレ補正機構の威力をもってすれば、手ブレの危険性はかなり減るはずだ。それにも関わらず、夜景モード時にISOが80になるということは、自ら高感度に弱いことを認めているようなもの。なおISO100と200の作例がシャープでないのはカメラブレが原因。申し訳ないがノイズだけを比較してほしい。
撮影モードはシャッタースピード優先AEと夜景モード。シャッタースピード優先AEは、シャッタースピードを1秒に設定して撮影した。
※作例のリンク先は撮影画像をコピーしたものです。
※写真下の作例データは、記録解像度/撮影モード/露出時間/レンズF値/露出補正値/ISO感度/ホワイトバランス/35mm判換算での焦点距離を表します。
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3,840×2,160 / シャッター速度優先AE / 1秒 / F4 / 0EV / ISO80 / 60mm / オート
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3,840×2,160 / シャッター速度優先AE / 1秒 / F4 / 0EV / ISO100 / 60mm / オート
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3,840×2,160 / シャッター速度優先AE / 1秒 / F4.9 / 0EV / ISO200 / 60mm / オート
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3,840×2,160 / シャッター速度優先AE / 1秒 / F8 / 0EV / ISO400 / 60mm / オート
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3,840×2,160 / シーンモード(夜景) / 1秒 / F6.3 / 0EV / ISO80 / 60mm / オート
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次いでトライしたのが長時間露光だ。ISOは80に固定。絞り優先AEモードで絞りを徐々に絞り込み、シャッタースピードを変えて撮影した。レンズの焦点距離が最短側でなかったので開放F値は4からスタート。1段ずつ絞るにしたがってシャッタースピードは1.3秒、2.5秒、5秒と変化した。
撮影結果を見て意外だったのは、暗部のノイズがそれほど変化しなかったこと。ノイズリダクションの効果は十分に現れている。ただし画像を拡大してみると露光時間が長いカットではハイライト部のにじみが大きくなっている。恐らく絞り径が小さくなったことで回折現象が起こっているのだろう。
このほか絵柄は違うが、絞り優先AEモード時の最大露光時間である8秒で撮影したカットもなかなか健闘している。いずれにしてもISO80で撮影している限り、ノイズに関して大きな問題は起こらないようだ。
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3,840×2,160 / 絞り優先AE / 1.3秒 / F4 / 0EV / ISO80 / 69mm / オート
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3,840×2,160 / 絞り優先AE / 2.5秒 / F5.6 / 0EV / ISO80 / 69mm / オート
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3,840×2,160 / 絞り優先AE / 5秒 / F8 / 0EV / ISO80 / 69mm / オート
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3,840×2,160 / 絞り優先AE / 8秒 / F8 / 0EV / ISO80 / 60mm / オート
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今回のテーマから外れるが、ホワイトバランスを変えて撮影してみたところ、意外な発見があった。作例を見ればわかる通り、白熱灯で撮影したカットで不思議な現象が発生している。橋のアーチ部分左側をよく見ると、ブルーの照明から暗部に向かってフレアが伸び、黒く写るはずの背景が青くなってしまった。
撮影当日の天気は晴れ。湿度も低く空気中の水蒸気に光が反射したとは考えにくい。もちろん露出は他のカットと同じだ。恐らく原因は画像処理エンジンにあると考えられるが、こんな現象に遭遇したのは初めて。とにかくデジカメの世界は何が起こるか分からない。
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夜景を選択。オートホワイトバランスに設定したときに色味が近く、欄干下のランプが赤みがかって再現された
3,840×2,160 / シーンモード(夜景) / 1秒 / F6.3 / 0EV / ISO80 / 103mm / オート
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オートホワイトバランスで撮影。夜景モードに発色が近いが、ほんの少し赤みが強い
3,840×2,160 / 絞り優先AE / 1.6秒 / F8 / 0EV / ISO80 / 103mm / オート
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ホワイトバランス晴天で撮影
3,840×2,160 / 絞り優先AE / 1.6秒 / F8 / 0EV / ISO80 / 103mm / 晴天
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ホワイトバランス曇天で撮影。晴天のカットと色味がよく似ている
3,840×2,160 / 絞り優先AE / 1.6秒 / F8 / 0EV / ISO80 / 103mm / 曇天
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ホワイトバランス白熱灯で撮影。全体に青みが強いのは当然だが、なぜか暗部がフレアっぽい。念のためプリントアウトして確かめてみたが、結果は同じだった
3,840×2,160 / 絞り優先AE / 1.6秒 / F8 / 0EV / ISO80 / 103mm / 白熱電球
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■ URL
松下電器
http://panasonic.co.jp/
製品情報
http://panasonic.jp/dc/lx1/
気になるデジカメ長期リアルタイムレポートバックナンバー
http://dc.watch.impress.co.jp/static/backno/longterm.htm
( 中村 文夫 )
2005/11/21 19:00
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