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ニコン COOLPIX P1【第5回】
PCからできる操作

Reported by 本誌:伊達 浩二


PCからP1の画像を転送する

 前回までは、COOLPIX P1側からネットワークを操作する方法を紹介してきたが、今回はPC側からP1を操作する方法について紹介しよう。

 と言っても、PCからできる操作は非常に限られていて、P1からのファイルの転送しかできない。

 手順は簡単で、添付ソフトである「PictureProject」を起動し、「転送」のアイコンをクリックするか、「ファイル」メニューの「PictureProject Transfarを起動する」を選択する。これで、PictureProject Transfarというアプリケーションが起動される。

 このときに、P1は無線LANモードで起動され、「PCモード」になっている必要がある。無事に接続されていれば、PictureProject TransfarにP1の画像が表示される。

 ここで「転送」を押すと、P1から画像が転送される。デフォルトは、「PictureProject上で新しいアルバムを作る」になっており、日付と、その日の転送回数でアルバム名が生成される。ファイル名やフォルダ名については、かなり細かい設定ができる。

 ちょっと面白いのは、オンラインアルバムに同時登録するというオプションだ。このオンラインアルバムは、P1がユーザー登録されていれば、50MBまでのフリーエリアが使える。つまりP1→PC→オンラインアルバムという転送が自動的にできるので、P1で撮った画像をすぐにオンラインに上げることができる。

 なお、オンラインアルバムを使用するためには、PictureProjectの「ファイル」-「オンラインアルバム」の項目でログイン名とパスワードを登録しておく必要がある。


「PictureProject Transfar」の起動画面。左に、接続状態にあるP1の画像が表示されている

オプションの転送設定。デフォルトでは、転送ごとにPictureProjectのアルバムが作成される 転送先の設定。フォルダ名は、プリフィックス(前に付く文字列)、連番や日付、サフィックス(後ろに付く文字列)の組み合わせで、細かく設定できる



PCからの機能に期待したいこと

 というわけで、現状のP1では、PCからできることは非常に限られている。まだ、第一歩というところなのだろう。

 では、どういう機能がPCからできれば、もっと面白いかを考えてみよう。

 たとえば、PCからの操作でシャッターが切れるようにしたい。これができると、離れた場所に設置したP1のリモート撮影ができる。

 欲をいえば、撮影時にプレビュー画面がPC側から見られないだろうか。背面の液晶モニターと同じ11万画素程度でリアルタイムに見ながら、シャッターが押せると面白い。転送速度の面で無理なら、1秒に1回ぐらいのペースでもいい。

 なお、画像ファイルの転送は撮影と同時と以外に、あとでまとめて転送するというオプションもほしい。なぜなら、画素数を大きめの設定にすると、画像の転送に時間がかかりシャッターチャンスを逃してしまう可能性があるからだ。

 ついでに、インターバルタイマー機能がついていれば、各種の記録に使用できて便利だろう。秒単位で一定時間ごとに撮影できるようにしてほしい。これも、同時転送以外に、定時に新規撮影をした画像を転送するオプションがほしい。

 ちなみにP1本体の撮影メニューにはインターバルタイマー機能はあるのだが、無線LANに接続している状態では、残念ながら使用できないのだ。

 また、現状ではPCからの自動転送先は、ニコンが用意したオンラインアルバムに限定されているが、通常のftpサイトが利用できるようにしたい。そうすれば、撮影画像を簡単にWebで公開できるようになり、さらに可能性が広がる。

 そこまでやるならネットワークカメラで良いじゃないかという話もあるが、きちんとした静止画が撮れるカメラがネットワークにつながっているのだから、新しい用途があると思う。


取材で使っての感想

 ついでに、何度かP1を取材に持っていったので、その感想も記しておこう。

 結論から言えば、現状のP1を取材に持って行っても、1人で使っている分には、常にPCにバックアップが転送されているという以上の意味は、見いだしにくかった。

 たとえば、カメラマンとライターというように、2人で分業していれば、それぞれの手元に同時にデータをあるというのは、大きなメリットなのだが、いかんせん予算の限られているWebでは、専用のカメラマンがいないので、後で転送する手間が省けるという以上のメリットは感じなかった。

 また、まれにP1とPCの接続が切れてしまうことがあると、P1の操作と接続待ちに気を取られてしまうこともあった。

 そして、これはカメラの性格上しょうがないことだが、50~100名程度用の会議室で行なわれることの多い取材では、36~126mm相当のズームではテレ側が足りないことが多かった。Webでは640×480や800×600ドットでしか使わないので、必要な部分を切り出してしまうので、そんなに困らないのだが、表情を確認しながら撮れないのはつらい。

 誤解しないでほしいのは、P1をおとしめているのではなく、適材適所であり、現状ではWebの記者の取材という用途には向いていないということだ。

 たとえば、先ほど述べたような、PCからのリモート機能が強化されるだけでも、P1の価値は、大きく変わってくる。見通しの良い場所に三脚を立ててP1をセットし、離れた場所からシャッターが押せれば、それだけでも使い道が出てくる。

 発表会場では、発表者とプレゼンテーションを両方撮ることが多いが、P1をプレゼンテーション用にミニ三脚で固定して、PCのキーボードで操作してリモートで撮れるだけでも便利だろう。

 せっかく双方向でつながっている無線LANなのだから、もう少し生かす道を考えてほしいと思う。

  ニコン
  http://www.nikon.co.jp/
  製品情報(COOLPIX P1)
  http://www.nikon-image.com/jpn/products/camera/digital/coolpix/p1/



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