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富士フイルム FinePix F11【第1回】
地味ながら期待大、F10からの変更点

Reported by 本誌:折本 幸治


 昨今流行の高感度路線の元祖にして、コンパクトデジタルカメラでは「孤高の高感度画質」との呼び声が高かった「FinePix F10」。オート中心のお手軽モデルながら、その独自の画質からマニア層からの支持も厚い。大規模なプロモーションによる相乗効果もあり、最近の機種としてはユニークな成功例となったのは記憶に新しいところだ。そのFinePix F10の後継機種が10月発売の「FinePix F11」になる。

 発売日に届いたF11を箱から取り出し、まず気が付いたのは「本体色がガンメタリックになった」ということ。といってもシルバーのF10とそれほどイメージが異なるわけではない。そのほか、スーパーCCDハニカムのエンブレムが金色から黒になるなど、外見上に細かい差異が認められる。それでも本体色の変更とあわせて「だからどうした」といったレベルだ。

 機能上の違いも少なく、今のところ確認しているのはわずか4点しかない。列挙すると「TTL分割測光数が64から128へ増加」、「絞り/シャッタースピード優先AEの追加」、「マクロモードにおける最短撮影距離の短縮」、「液晶モニターの部材の変更」といったところ。F11がF10からのマイナーチェンジ機といわれるゆえんだが、オート優先思想のカメラにしては思い切った追加機能がある。もちろん、絞り優先/シャッタースピード優先AEのことだ。


左がF11、右がF10。一見するとほとんど違いは分からない 背面。十字ボタン下への割当が変わった スーパーCCDハニカムのエンブレムは黒。文字はホログラム処理に

 注目の両モードは、モードレバーを「A/S/M」の位置にあわせ、さらにメニュー内の「撮影モード」で選択するとはじめて機能する。モードダイヤルを回すだけの機種に比べると少々面倒。なおA/S/Mは、F10でM(マニュアル)だった場所だ。

 ちなみに「M(マニュアル)」はF10と同じく、AUTOをベースにユーザーが測光方式、ホワイトバランス、フォーカス方式、連写、露出補正を変更できるモード。絞りとシャッター速度を個別に指定する、いわゆるマニュアル露出ではない。AとSが加わったいま、M(マニュアル)は一眼レフでいう「プログラムオート」といってよいだろう。

 逆にいうと、そのほかのモード(AUTO、ナチュラルフォト、人物、風景、スポーツ、夜景)で変更できるのは、ピクセル(画質モード)、FinePixカラーなどに限られる。ナチュラルフォトだとISO感度も変更できなくなる。

 さて、絞り優先AEモードの操作について。十字ボタンの下を押して「絞り設定」メニューに入り、十字ボタンの左右で絞り値を変更。設定後、十字キーの下、あるいはシャッターボタン半押しで撮影に戻る。設定できる絞り値はF2.8〜8、1/3EV単位で10段階となっている。

 シャッタースピード優先AEモードも同様の操作で、3〜1/1,000秒まで、36段階で指定可能。もちろん、シャッタースピード優先AE、絞り優先AEともに「M(マニュアル)」と同じく、ホワイトバランスなどを変更できる。ちなみに、F10における十字ボタン下はセルフタイマーになっており、F11ではメニュー内からセルフタイマーを選択するようになった。


A/S/Mの変更はメニューから 絞り優先AE。十字ボタン下で絞り設定へ 絞りの設定中。十字ボタン左右で変更

 まだ使い込んでいないものの、絞り優先AEである程度絞ると、開放時に生じる紫の色にじみなどが幾分解消することがわかった。F10で不満だった点の1つなので、絞り優先AEの効能はこのあたりにもありそうだ。そのうち詳しくレポートしたい。

 ただし、絞り/シャッタースピード優先AEにすると、「ISO AUTO」がグレーアウトして選択不能になる。つまり「ISO感度は固定して使え」ということだ。確かに、ISO感度が勝手に動くと露出が判断しづらくなる面もある。

 個人的にはF11に限らず、「シャッター速度を自分の手ブレ限界速度に固定し、なるべく低感度で撮ってくれるモードがあれば」と思うことも多い。最近、デジタル一眼レフカメラにそうした「ISOオート」の採用例が多いのでなおさらだ。そこはガンガン増感するナチュラルフォトモードで対応すればよいとの判断だろう。


充電、AV出力、PC接続をひとつでまかなうマルチコネクター(中央)が引き続き付属
 そのほかF10との違いとしては、液晶モニターの部材変更がある。液晶モニターの大きさは2.5型と同等だが、画素数が約11.5万画素から約15.3万画素になった。

 同じ画像をF10の液晶モニターと比べると、F11はダイナミックレンジが若干広く、暗部の階調がより確認できる。また、ジャギーの出方も異なり、F11の方がわずかに滑らかなケースが見られる。彩度はF10のほうが鮮やか。F10側の経時変化も考慮したほうがいいかもしれないが、とりあえずF11の液晶モニターに不満はない。

 また、マクロモードにおける広角端の最短撮影距離が、F10の約7.5cmから約5cmに縮まった。望遠端は変わらず約30cm。いずれワイドマクロにも挑戦したいと思う。なお、「まぶしい」とあまり評判のよろしくない、緑色のAF補助光は引き続き搭載されている。

 最後に、高感度での作例を急ぎ撮り集めてみた。いろいろ試してみたところ、ノイズの出方や輪郭の崩れ具合はF10とさほど変わらないことが分かった。ISO1600ともなると、縦スジをはじめ、場合によっては龍紋状のノイズが生じるのもF10と同じだ。どちらかといえば、F値が明るいケースのほうが輪郭が崩れがちになる。

 とはいえ、従来のコンパクトデジカメとは一線を画すノイズの少なさと解像感のバランスは健在。画質面でF10を狙っていた人には安心して薦められるし、両優先AEによる自由度の広さには、F10とはまた違う魅力を感じる。次回からは本格的に使い込んでみたい。


ISO感度による変化(その1)

※作例のリンク先は撮影画像をリネームしたものです(一部のファイルは作業用にIPTCタグを付加しています)。
※作例データは、機種名/露出時間/レンズF値/ISO感度/焦点距離を表します。


 すべて画質モード=6M(2,848×2,136ピクセル)、ホワイトバランス=マニュアル、Fカラー=F-スタンダード。ISO感度を変化させながらAUTOモードで撮影した。F値が大きいと輪郭の崩れも少ないようで、望遠端のこの例ではISO400以上でもきれい。露出はF10とほぼ同じで、F11のほうは少しだけ色が濃い。


●FinePix F11


FinePix F11 / 1/5秒 / F5 / 0EV / ISO80 / 24mm FinePix F11 / 1/6秒 / F5 / 0EV / ISO100 / 24mm FinePix F11 / 1/10秒 / F5 / 0EV / ISO200 / 24mm

FinePix F11 / 1/25秒 / F5 / 0EV / ISO400 / 24mm FinePix F11 / 1/56秒 / F5 / 0EV / ISO800 / 24mm FinePix F11 / 1/102秒 / F5 / 0EV / ISO1600 / 24mm

●FinePix F10


FinePix F10 / 1/5秒 / F5 / 0EV / ISO80 / 24mm FinePix F10 / 1/6秒 / F5 / 0EV / ISO100 / 24mm FinePix F10 / 1/13秒 / F5 / 0EV / ISO200 / 24mm

FinePix F10 / 1/25秒 / F5 / 0EV / ISO400 / 24mm FinePix F10 / 1/50秒 / F5 / 0EV / ISO800 / 24mm FinePix F10 / 1/100秒 / F5 / 0EV / ISO1600 / 24mm

ISO感度による変化(その2)

 F11のシャッタースピード優先AEを利用し、シャッター速度1/2.5秒に固定したままISO感度を変えてみた。ちょっとズームしているので、開放F値はF3.2。ホワイトバランスはオート。画質モードは6M(F)。こんなどうでもいい露出遊びができるのは、ISO感度の幅が広いF11ならではかも。

 カメラ内の露出計はISO400で適正と判断したのだろう。その後はISO感度を上げるたび、教科書通りに絞りが1段ずつ深くなっている。また、絞るにつれて色にじみやコマフレアが目立たなくなったのが興味深い。絞りによる画質変化について詳しくは次回にでも。


FinePix F11 / 1/2.5秒 / F3.2 / 0EV / ISO80 / 10.4mm FinePix F11 / 1/2.5秒 / F3.2 / 0EV / ISO100 / 10.4mm FinePix F11 / 1/2.5秒 / F3.2 / 0EV / ISO200 / 10.4mm

FinePix F11 / 1/2.5秒 / F4 / 0EV / ISO400 / 10.4mm FinePix F11 / 1/2.5秒 / F5.6 / 0EV / ISO800 / 10.4mm FinePix F11 / 1/2.5秒 / F8 / 0EV / ISO1600 / 10.4mm


URL
  富士フイルム
  http://www.fujifilm.co.jp/
  製品情報(FinePix F11)
  http://dc.watch.impress.co.jp/cda/review/2005/10/26/2562.html

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( 本誌:折本 幸治 )
2005/11/02 00:50
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