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コニカミノルタ α Sweet DIGITAL【第4回】
台風一過でα Sweet

Reported by スタパ齋藤


 わー台風だ~、いっぱい来るぅ~。さすが9月ですな。しかし、徐々に湿度も下がり始め、これからが“撮り甲斐”のある季節になる。

 とか思っていたら台風は早足で行っちまって、明日は台風一過で晴天の予感。よし行くゼ!! 釣りに!! って撮影にじゃないのかよ>俺!! たまにはガス抜きっス>俺。

 到着したのは山梨県は富士五湖のクリアレイク。風も穏やかであり雰囲気満点。本日は釣れ釣れの予感!! 湖の魚を全部釣っちゃうカモ!! といったいつもの予感はいつもどおりハズれ、明け方から午後まで釣ってもチィ~ッコイのが数尾。あーダメかも今日は。台風で疲れちゃってんスねお魚さんもきっと。


※作例のリンク先は、撮影した画像データそのものです(ファイル名のみ変更してあります)。縦位置のものは、サムネールのみ回転していますが、拡大画像はあえて回転せずに掲載しています。クリックすると撮影した画像が別ウィンドウで表示されます。

※キャプション内の撮影データは、画像解像度(ピクセル) / 露出時間 / 絞り値(F) / 露出補正値(EV) / ISO感度 / 焦点距離(35mm判換算、mm)です。


ボート上から見た積乱雲。絞り優先オートにてAEB撮影。雲の薄い影の部分をスポット測光。積乱雲の大迫力加減を演出するため若干アンダー気味にしたが、もーちょっと明るいほうが良かったかも
3,008×2,000 / 1/320(秒) / 18 / +0.7 / 100 / 105
 額の汗を拭いて空を見上げると、むむむ、積乱雲。もくもく沸き立つその姿を見ていたら、俺内部の雲撮影欲望もむくむくと。そうだ!! 今現在から本日を撮影の日としていきたい!! すなわち「α Sweet DIGITAL」(以下、α Sweet)で雲とかの写真を撮っていきたい!! 俺のα Sweetが火を噴くぜェ!!

 てなハコビで、雲とか空とかの写真を撮ることに。ちなみに、この日使ったレンズはレンズキットに付属するAF DTズーム 18-70mm F3.5-5.6(D)である。


広角で空・雲写真が好きなんスけど……

 雲や空の写真を撮るのが好きな拙者。てのは、何しろ、とにかく、えーと、なんか、結局……理由がわかりませんでしたすいません。青い空を白い雲が形を変えつつ動いていくのって、なんかイイじゃないスか。そんな理由かもしれない。

 空や雲は、いつもたいてい広角レンズで撮る。夕焼けの雲と太陽を望遠レンズで撮るのも楽しいが、なんかこう風景ってよりも色と形のおもしろみばかり追ってしまい、得られる写真が抽象的な雰囲気になりがちな拙者なので、より雰囲気がリアルに出てくれる広角レンズでの撮影を好んだりしている。

 が、道路や建物がある高度っていうかそこいらへんの地面から、広角レンズで空や雲を撮る場合、いろいろと制限が出てくる。まず電線が写りがち。建物もそう。これらをうまく生かした写真にするならいいが、画面中が空と雲でいっぱい!! みたいな写真を撮ろうとすると、構図が限られたりして、やっぱり電線アリのエリアからの撮影は不利な気がする。

 よっしゃα Sweetで雲とかの写真を撮るゼ!! と思ったこの日も、湖畔からは案外撮りにくかった。湖畔っつっても富士五湖ってやっぱ観光地なんで、人間の生活エリアおよび人工建造物が画面内に入りがち。なら人気のない樹海へ……てなコトをすると、木々の間から見える狭い空しか写せない。俺はフルオブ空アンド雲な写真が撮りたいのにぃ!! だったら足を使え>俺。

 俺内部の俺が俺に檄を飛ばしたのを認識した俺は、そうだアソコだ日本一高い山に登って、そこから空を雲を!! てなわけで急遽富士山に登り(←クルマで)、空と雲を求めた。

 ら、いきなりあったよ空と雲。しかもこの空&雲、徐々にアレがナニしている!! すなわち!! この様子は数十分から数時間後に、雲海となるに違いない!!


富士山五合目付近から見た風景。既に雲海ができ始めている。絞り優先オート、中央の雲の影をスポット測光、AEB撮影。画面内に太陽をモロに入れたため、いくつかレンズフレアが見える
3,008×2,000 / 1/200(秒) / 22 / +0.7 / 100 / 27
同じ場所で、ほぼ同じ条件で撮影。縦位置にしたらフレアが減るかな、とは思ったが案の定フツーにフレアが出ていた。が、それほどキタナくもイヤな感じでもないフレアなので、拙者的には許せる
3,008×2,000 / 1/200(秒) / 22 / +0.7 / 100 / 27

これも、同じ場所、ほぼ同じ条件で撮影。ド真ん中に太陽を入れるとフレアを減らせる(目立たなくさせる)ことができるが、フレーミングに大きな制限が出てくる
3,008×2,000 / 1/200(秒) / 22 / +0.7 / 100 / 27

 現在16時半。本日(9月8日)の日の入り時刻はだいたい18時。あと1時間少々でオイシイ撮影時刻となるであろー。むふふ。などとニヤつきつつ、電線や人工建造物がほとんどない富士山を富士山腹から撮影してみた。


空の色を強めに出したいと考え、山頂と空の間をスポット測光。絞り優先オートにてAEB撮影。中央手前の煉瓦色の建造物に合焦させたと記憶するが、手前と山頂にいまひとつピンが来なくて全体的にシャッキリしない画像に。もう少し絞った方が良かったか、あるいは手前に合焦させるべきだったか!?
3,008×2,000 / 1/100(秒) / 11 / 0 / 100 / 27
ほぼ同条件・同位置から撮影。縦位置にし、手前の土砂(の中に見える木の棒)に合焦させた。……こここ、この風景は見覚えがある風景!! ていうかDiMAGE 7でコレと同様の写真を撮ったことがあり、その時に得た写真の感触とかなりクリソツ感が高い描写となった。適度なメリハリと良好な色再現性が拙者好みである
3,008×2,000 / 1/100(秒) / 11 / 0 / 100 / 27

ちょいと移動して富士山山頂を狙う。ズームアップし、105mm(35mm判換算)で撮ってみた。雪のない富士山は少々貧相ですな。絞り優先オート、AEB撮影。山頂付近のグレーの部分をスポット測光
3,008×2,000 / 1/80(秒) / 11 / 0 / 100 / 105
ほぼ同じ位置、条件で撮影。富士山の迫力を出すため、ちょい横にあった溶岩(!?)を手前に入れ、縦位置で撮影。溶岩に合焦させたらソレナリの迫力は出たが、やっぱりなんだか富士山に見えないかも
3,008×2,000 / 1/80(秒) / 11 / 0 / 100 / 27

 富士山の五合目付近を歩き回って目に付くものを撮りまくり、ふと後ろを振り返ると、おお!! だいぶ雲ができあがってきた。低い位置の雲が安定し始め、高い位置から雲が消え始める。この調子でいくと、イイ感じで雲海が現れてくれそうだ。


画面中央、雲の影の部分をスポット測光。絞り優先オート、AEB撮影。そろそろ太陽の色が赤みを帯びてくる。上空は昼間の色だが、中央から下あたりは夕暮れ時の色になりかかっている。これからが俺的にオイシい撮影時間帯である
3,008×2,000 / 1/160(秒) / 11 / +0.7 / 100 / 27
画面中央、浮かんだ小さな雲の上部をスポット測光。絞り優先オート、AEB撮影。太陽の方向にちょっと向きを変えると、ガラリと被写体の色が変わってくる(若干アンダーにした影響もあるが)。夕暮れ時の写真を、ナチュラルな発色のデジカメを太陽光のホワイトバランスで撮るのが好きな拙者っス
3,008×2,000 / 1/125(秒) / 16 / 0 / 100 / 27

 この章の写真は、16時30分頃~17時30分頃までに撮った。9月上旬の日の入りは18時頃。ちょうど、太陽が大きく傾く~沈む直前の時間帯である。

 これら写真を、α Sweetにて、ホワイトバランスを太陽光・画像仕上げをナチュラルの設定で撮ってみたわけだが、興味深い&当然と言えば当然のポイントとして、光源に対して非常に忠実な発色をしていること。

 例えばコンパクト系デジカメで(こういう時間帯に)撮ると、夕方撮っても真っ昼間っぽい色になったり、被写体や光源の位置により色がコロコロ変わったりする。デジタル一眼の場合はそーゆーコトは少ないが、メーカーの意図で強めに発色をコントロールしてしまうのか、デキはイイけど色味的になんか不自然な仕上がりになったりすることが(たまに)ある。

 α Sweetの場合は、そういった違和感がほとんどなかった。実際に上の写真を順に眺めていただくと、光源からの光の色のビミョーな変化までしっかりわかる。ので、拙者、満足。


夕景好きには超アリガタいAnti-Shake

 そして日の入り直前の時刻。良さそうな場所を探して歩き回っていたら、はい、出ました雲海!! 標高約2,200~2,400mの位置からの光景、足下に雲の絨毯が広がり、沈みつつある太陽に照らされている。


絞り優先オート、太陽の斜め下に見える稜線下をスポット測光にてAEB撮影。地上から2,000mくらい!? にある雲を、その上から見ることができる
3,008×2,000 / 1/250(秒) / 11 / -0.7 / 100 / 27
絞り優先オート、太陽の右脇の雲をスポット測光にてAEB撮影。テレ側いっぱいにズーム(105mm相当)して撮った。太陽が雲の影に入り、また画面内の被写体がどれも光源の影響を強く受けることもあるが、前の写真から約10分経っただけで強い赤みを帯びるようになる。この時間帯はこういう色の変化がオイシイと言えよう
3,008×2,000 / 1/400(秒) / 11 / -0.7 / 100 / 105

絞り優先オート、遠くの山の稜線下をスポット測光にてAEB撮影。日没直後には、その直前に見えていた赤みがグッと減る。が、さらに暗くなると、空には再び赤~青の色味が強く見られるようになる。あと、もうチョイとアンダーにして撮るとそういう色が強く出てくる
3,008×2,000 / 1/50(秒) / 8 / -0.7 / 100 / 27
絞り優先オート、遠くの山の稜線下をスポット測光にてAEB撮影。太陽が出ていた時の赤みとはまた違う、紫がかった赤みが見える。こんな色彩の変化は、何も富士山とか雲海だけでなく、日本中どこからでも楽しめる
3,008×2,000 / 1/15(秒) / 11 / -0.7 / 100 / 105

絞り優先オート、遠くに浮かぶ雲をスポット測光にてAEB撮影。徐々に暗くなっているが、α SweetのAnti-Shakeにより、まだ多少絞り込んでの撮影ができる。やっぱり手ブレ補正機構は有り難いっス
3,008×2,000 / 1/20(秒) / 11 / +0.7 / 100 / 27

 日の入り前後の15分ほど、30分程度の時間帯だが、めまぐるしく変化する色彩がヒジョーに愉快であった。同時に、その色をしっかりと出してくれるα Sweetに感謝。ということで、さぁ帰……らないのである!! なぜならば!! 何となく撮っていたら、三日月が出ていたから!! 俺、三日月もっと撮りたぁ~い!!

 ところで、実はこの日、釣りを始める前、日の出直前にもα Sweetで撮影した。すなわち釣りのフリをして作例撮影仕事をしている俺であって意外に勤勉な拙者だがさておき、α SweetのAnti-Shakeは、なるほどやっぱり悪条件下での撮影に強いなぁという実感を得ていた。

 明け方前の撮影とかけっこー大変なんスよ。だいたい暗いからシャッター速度稼げない。手ブレしがち。単純に、それをカバーしてくれるα SweetのAnti-Shakeなのだ。また、α Sweetによる写真には、暗部のノイズが非常に少ないと感じる。ISO感度を低めにしているからというのもあるが、ISO感度に関わらずノイズが見えがちな機種ってのは(一眼、コンパクトに関わらず)あったりする。そういう意味で、α Sweetは“暗めの被写体を撮る気にさせる”ように思うのだ。


絞り優先オート、画面中央右の水に浸る草のあたりをスポット測光にてAEB撮影。水の表面の反射や遠くの山あたりまで、暗部を除いては十分なグラデーションが出ている。このシャッター速度ならあまり手ブレしないレベルとも言えるが、ディティールを拡大してもほぼ手ブレが見えない点はAnti-Shakeの実力だと感じる
3,008×2,000 / 1/30(秒) / 5.6 / +0.7 / 100 / 75
絞り優先オート、画面左下の雲の端をスポット測光にてAEB撮影。もうすぐ日の出でシャッター速度も稼げてきている。が、Anti-Shakeがあるため、いつもなら自信がないシャッター速度以下に落とせる=絞り込めるという点も、やはり手ブレ補正機構のメリットだ
3,008×2,000 / 1/160(秒) / 8 / -0.7 / 100 / 27

 わりあい引き締まった黒が出て、階調も自然で滑らかなα Sweet。これはキレイな夕空や夜空が撮れるかも!? そう思って、日没後の空および三日月を撮ってみた。


絞り優先オート、地平線というか水平線というか雲平線のオレンジ色の部分をスポット測光してAEB撮影。シャッター速度は速くない(1/30秒)が、三日月がしっかり描写された。三日月がブレて見えるが、恐らくブレではなくて色収差による滲みだろう
3,008×2,000 / 1/30(秒) / 3.5 / +0.7 / 100 / 27
絞り優先オート、同じくオレンジ色の部分をスポット測光にてAEB撮影。52mm相当にズームし、1/30秒のシャッター速度でもほぼブレが見えないのは有り難い。オレンジから暗い紺へのグラデーションが滑らかで美しい
3,008×2,000 / 1/30(秒) / 5.6 / -0.7 / 100 / 52

絞り優先オート、同じくオレンジ色の部分(画面内にはない下のほー)をスポット測光にてAEB撮影。抽象的な写真となったが、105mm相当にズームして1/15秒のシャッター速度でほとんどブレていない(と思う)のは大したモンだよAnti-Shakeだと痛感
3,008×2,000 / 1/15(秒) / 5.6 / -0.7 / 100 / 105

 Anti-Shakeのお陰でブレずに暗めの夕景が撮れたのが嬉しかったが、同時に、この夕景のオレンジ色から濃い紺へのグラデーションは、前に見たDiMAGE 7とか、あるいはDiMAGE A200とかと非常によく似た発色傾向だと感じた。

 ヤケに青いとか米国的にオレンジがかっているとか、そういう人工甘味料的なニュアンスが、ない。あればあったでソレはおもしろいし個性ともなるが、そうしない一種のストイックさは、コニカミノルタが持つ大きな魅力であり強みだと思う。


絞り優先オート、地面と空の間のオレンジ色のやや上の部分をスポット測光にてAEB撮影。Anti-ShakeはOFFっス。平らな台の上に固定して撮ったが、あらステキ!! こんな色のグラデーションが撮れたのは久々である。ただ、風景と三日月を両方入れる(見えるようにする)と、どちらかがオーバー過ぎもしくはアンダー過ぎとなるので、妥協=三日月ちゃんが若干明るすぎかも
3,008×2,000 / 4(秒) / 4.5 / +0.7 / 100 / 39
 蛇足だが、もっと本格的に暗くなったらどんなふーに写るんだろーかッ!? ってコトで、真っ暗に近い富士山五合目近くで、再度三日月写真にチャレンジ!!

 シャッター速度4秒だと、さすがのAnti-Shakeでも全米震撼級の手ブレが出るのであり、手持ちは諦めて台に置いて撮影したが、俺的にはさらにさらにコニカミノルタ的発色傾向をディープに味わえる一枚が得られたと感じる。

 てなわけで、釣りよりα Sweetでの撮影を堪能できた一日であった。これからマジで空気が澄んで夕景とか夕空とかもイイ感じになるので、また時間を作って撮影に出かけてみたい。皆さんも、ぜひ!!



URL
  コニカミノルタ
  http://konicaminolta.jp/
  製品情報
  http://konicaminolta.jp/products/consumer/digital_camera/a_sweet_digital/
  レンズ交換式デジタルカメラ機種別記事リンク集(α Sweet DIGITAL)
  http://dc.watch.impress.co.jp/static/link/dslr.htm#a_sweet

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コニカミノルタ、CCDシフト手ブレ補正搭載入門機「α-Sweet DIGITAL」(2005/07/15)


( スタパ齋藤 )
2005/09/14 14:38
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