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コニカミノルタ α Sweet DIGITAL【第3回】
ガシッと写るゼ、α Sweetレンズキット

Reported by スタパ齋藤


 ぬぅうぅん!? おかしいよ。ヘンだよ。「α Sweet DIGITAL」(以下、α Sweet)で撮った写真、なんかネムい気がしなくもなくもなくもなくも(以下256回繰り返し)ない気がしなくもな(また繰り返し)ない俺なんだよ。α Sweetで前回最後に撮った写真からの印象と同じく、拙者の心中は若干モヤモヤしていたのである。

 いや、そんなハズはない。ていうか俺の場合、元ミノルタとか元コニカのデジカメ使って画質に納得したケースが非常に多い。例えばDiMAGE 7とかDIGITAL Revio KD-500ZとかDiMAGE A200とかだ。あ、DiMAGE Xも買ったけど、アレは他の機種と比べると画質的に小さな非スッキリ感があったけど、まあサイズがサイズだったし……。

 ともかく、俺におけるコニカやミノルタっていうかコニカミノルタのデジカメは、当たり確率が非常に高かったのだ。って、その言い方はアレかよα Sweetがハズレって意味かよ>俺。いやそういう意味じゃなくてあの……ともかく!! これは再度キッチリ撮影してみるしかない!! しっかりした光量および撮影者の心構えのもとに、リベンジ!! コニミノのーフーネはーデーカい~コニミノのー砲ーはー強い~といったサウンドを脳内に響かせながらリベンジ!!

 てなわけで、夏の終わり、晴天のある日、α Sweetを持って再度写真を撮りに出かけた。

 手ブレ補正機構を過信してはイケナイ。手ブレ補正機構は、その名の通り“手ブレ”の“補正”なのだ。手ブレの“解消”や“除去”ではない。あくまでも撮影者の手助けをする機構。手助けされる側の撮影者がヘロヘロもしくはダラダラもしくはグニョグニョしたスタンスであり、それが原因で最強にダメまった手ブレが発生した場合、いかにAnti-Shakeと言えども補正しきれないというよりもむしろ面倒見きれないよ~オマエなんか!! なのである。

 とかよくわからねえ事柄をブツブツ言いつつ現場に到着。晴れてますよ~明るいですよ~もちろん暑いですからアイスコーシー飲んで帰るかやっぱ。ハァ。あぢ。というスタンスではいかんのだ。

 ここは気合!! くわッ!! そして撮影!! してみたら、こないだのとはかな~り違う写真が得られた。


※作例のリンク先は、撮影した画像データそのものです(ファイル名のみ変更してあります)。縦位置のものは、サムネールのみ回転していますが、拡大画像はあえて回転せずに掲載しています。クリックすると撮影した画像が別ウィンドウで表示されます。

※キャプション内の撮影データは、画像解像度(ピクセル) / 露出時間 / 絞り値(F) / 露出補正値(EV) / ISO感度 / 焦点距離(35mm判換算、mm)です。


プログラムオートで撮影。建物の縁と雲の中間あたりをスポット測光。AEB撮影による露出補正で+0.7のものを選んだ。ってスポット測光とかAEBは拙者のクセなんで気にしないでください。ともあれ、比較的に被写体のコントラストが高いこともあり、クッキリとしが画像が得られた
3,008×2,000 / 1/320(秒) / 10 / +0.7 / 100 / 27
これもプログラムオートにて撮影。同じく建物と雲の中間あたりをスポット測光&AEBで、露出補正-0.7のものを選択。久しぶりに人工建造物撮ってみたらスポット測光の感が鈍っておる拙者です。さておき、建物表面ディテイルまで十分な解像感があると思う。なーんだネムくないじゃ~ん
3,008×2,000 / 1/320(秒) / 10 / -0.7 / 100 / 27

 撮影直後の画像確認は、α Sweetの2.5型液晶上で行なった。若干拡大倍率が低めのα Sweetなんで、細部をじっくり確認することはムズめだが、それでも一見して「別にネムくはない」ってコトが判明。あー良かった。前の写真は……何だったんだろう? 光量の関係、あるいは俺の怠惰さ? ともかく、α Sweetは十分解像感があるしクリアな画像を提供してくれるマッシーンであることがわかった。

 気をよくした拙者は、レンズキットのレンズことAF DTズーム 18-70mm F3.5-5.6(D)の画角のサンプルを撮ってみることに。

 下の4枚は、ビルのほーがプログラムオート、噴水のほーがシャッター速度優先オート。スポット測光やAEBは他の写真と同様。十分解像していると感じられ、またレンズの周辺光量低下もほとんど見られないフィーリングであった。


【ワイド端】
3,008×2,000 / 1/160(秒) / 10 / +0.7 / 100 / 27
【テレ端】
3,008×2,000 / 1/160(秒) / 7.1 / 0 / 100 / 105

【ワイド端】
3,008×2,000 / 1/3,200(秒) / 3.5 / +0.7 / 100 / 27
【テレ端】
3,008×2,000 / 1/2,000(秒) / 5.6 / -0.7 / 100 / 105

 ホントは24~28mmあたりの広角で風景写真を撮ったりするのとか、対角魚眼でひたすら湾曲した風景撮ったりすんのが好きなんスけど、35mm換算で27~105mm相当になるこのレンズ、お散歩的風景写真撮影が楽しいですな。

 また、実はこのレンズって(レンズキットの価格とボディ単体の価格を比較するとわかるが)かなり安価。ゆえ、ちょっぴり疑っていたりもした。が、レンズキットから計算できる価格のレンズとしては、十分過ぎるほどちゃんとしたレンズのよーな気がする。


俺とα Sweetの信頼関係

 てな感じでホッとした(←何に!?)俺は、以降テクテクとお散歩写真モード。わー東京っていろんな被写体がありまくるなぁ!! わーおもしろい!! とお上りさんモードで連続撮影。

 そうしてわかったのは、マジメにホールドし、マジメに露出点、測距点を決め、マジメに撮ると、α Sweetは期待以上の結果を出してくれるということだ。例えば「写るかナ~」と思った噴水のイメージもガシッと写りまくりなのであった。


プログラムオート、噴水の根元をスポット測光、AEBにて撮影。思ったよりも白い要素が多く、+0.7のものが適正と思われたのでそれを選択した。つーかですね、写らないカモ~と思っていたプチ虹や水面の細かな波紋、さらには噴水の吹き出し口の質感までキッチリと描写されてビックリ
3,008×2,000 / 1/200(秒) / 9 / +0.7 / 100 / 60
プログラムオート、噴水の出口の影をスポット測光、AEBにて撮影。水の泡の部分から背景の建造物の陰まで、ラチチュード的にけっこー粘り強い描写をしてくれているように思う
3,008×2,000 / 1/320(秒) / 10 / 0 / 100 / 27

 すげー写るじゃんコレ!! ていうか、ああ、コレはデジタル一眼レフカメラなのであった。コンパクト機とかと比べたら、レンズも高品位だしCCDサイズにも余裕がある。あとアレですな、AFもキッチリと正確に動くんで、ウチ帰ってみたらビミョーに残念な結果に……ってコトが少ないとも言えよう。

 また、非常に明るい環境下では、α Sweetのデカい魅力ことAnti-Shakeも無用っぽい気がするわけだが、いや、でも、やっぱAnti-Shakeって、被写体のディテイルをよりよく写し撮ることに一役買っているように思う。


プログラムオート、手前の建物の三角屋根とビルの窓の中間をスポット測光、AEBにて撮影。露出補正±0のものを選択。手前の建物の三角屋根を見ると、細部までしっかり描写している。Anti-Shakeに感謝な拙者
3,008×2,000 / 1/200(秒) / 10 / 0 / 100 / 27
プログラムオート、手前の建物の壁と雲の中間をスポット測光、AEBにて撮影。雲が思った以上に明るかった感じ。露出補正+0.7のものを選択。同じ三角屋根の建物をアングルを変えて撮影した。ら、三角屋根の左側は描写しきれずモアレが出つつモヤッとした感じに
3,008×2,000 / 1/320(秒) / 10 / +0.7 / 100 / 27
プログラムオート、建物の壁の上端をスポット測光、AEBにて撮影。露出補正-0.7のものを選択であり、完全にAEBに助けられた拙者。露出の良し悪しはさておき、やはり被写体の細部までズギャーンと描写している
3,008×2,000 / 1/400(秒) / 10 / -0.7 / 100 / 27

 撮った画像をアレコレ見ていて感じるのは、画質的に自然だということ。キリキリにクリアだとか、ディープな色が出るとか、とにかくパッとキレイに色鮮やか、という個性はないよーに思われるα Sweet(の画像処理傾向)。その“Sweet”という名から想像されがちな画質は、あるいは、運動会だ~紅葉だ~というテンションのもの「デジタル一眼ってキレイらしいから」という勢いでα Sweetを買っちゃう人には物足りないのかもしれない。ま、でもシーン別撮影モードとかありますけどネ。

 その一方で、この価格帯のデジカメで、デフォルトでこのよーな自然&素直な描写をしてくれる点は、上記とはまた別のユーザーにとって嬉しい要素となるよーな気がする。誤解を招くかもしれないが、なんか、α Sweet、あくまでもツールとしてストイックに働く、ユーザー次第のデジタル一眼というイメージが出てきた。

 蛇足だが、ちょっと話が戻ってこのレンズ(AF DTズーム 18-70mm F3.5-5.6(D))、レンズキットで買えばコストパフォーマンス高いレンズかも~と思われるが、多少の色収差が見られる。けど、ほんのちょっぴりなのであんまり気になりませんな。以下にサンプルを置いときますので、ご参考までに。

 下の3枚はプログラムオート、それぞれ適当な箇所をスポット測光、AEBにて撮影した。露出補正は全て+0.7のものを選択。言い訳すると、拙者わりとアンダー気味の写真が好き(空とか色良く出るし)なんスけど、そういうのをサンプルとして出すのはどーかと思ってゴニョゴニョ。さておき、ご存じのとおりレンズ中央から離れた位置の高コントラスト部に、少々の色収差が見える。


3,008×2,000 / 1/320(秒) / 10 / +0.7 / 100 / 27 3,008×2,000 / 1/250(秒) / 10 / +0.7 / 100 / 27 3,008×2,000 / 1/250(秒) / 10 / +0.7 / 100 / 27

 蛇足についでさらに余談だが、今回の撮り歩きでα Sweetがかなり好きになったかもしれない拙者。操作に慣れてきたからというのもあるが、性能や画質に信頼が置けたからというのが強いように思う。機材とユーザーも信頼関係で結ばれんのかも知らん。

 そして結ばれつつある俺とα Sweetの間には、レンズという欲望が芽生えた!! くわッ!! 単焦点レンズとか欲しぇーッ!! もっと広い画角のレンズとか欲しぇーッ!! あと望遠系も!! あー金がない。もしも新しいレンズとか買えたら、ソレで撮ったりしてみたいっス。てなわけで、以降もよろしくどうぞ!!



URL
  コニカミノルタ
  http://konicaminolta.jp/
  製品情報
  http://konicaminolta.jp/products/consumer/digital_camera/a_sweet_digital/
  レンズ交換式デジタルカメラ機種別記事リンク集(α Sweet DIGITAL)
  http://dc.watch.impress.co.jp/static/link/dslr.htm#a_sweet

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コニカミノルタ、CCDシフト手ブレ補正搭載入門機「α-Sweet DIGITAL」(2005/07/15)


( スタパ齋藤 )
2005/09/07 00:32
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