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コニカミノルタ α Sweet DIGITAL【第1回】
α-7 DIGITALに手を出せず、結局DiMAGE A200を選択

Reported by スタパ齋藤


 2004年末、コニカミノルタからとうとう、レンズ交換式デジタル一眼レフカメラが発売されることになった。α-7 DIGITALである。その報道を見た瞬間、くわッ!! と目を見開いて購入を決心……しようとしたが、しきれなかった。

 つーかですね、当時のα-7 DIGITAL(以下、α-7)の店頭予想価格ったら20万円弱。Anti-Shakeには強烈な魅力を感じたが、去年~今年のデジタル一眼市場を見れば、ボディに20万円弱ってのはそーとーの理由がなければ財布激痛であり懐氷結と言える。αマウントレンズ資産がたくさんあるとか、コニカミノルタと一蓮托生の心意気、ってんならわかるが、そーじゃない俺の場合、ボディ+レンズの購入になるわけで……。

 手元にレンズ資産がないデジタル一眼ボディを買う時はいつもそーなんスけど、迷いに迷って俺の物欲は迷宮の彼方へ。でもその彼方でじっくり考えていたら、あ! そうだ!! コレでいいんじゃん、と。

 すなわちDiMAGE A200である。どーせα-7買っても揃えられるレンズは(資金上)限られるっていうか当分は汎用的なズームレンズ1本であろう。じゃあもうレンズ交換とか考えないでレンズ一体型のAnti-Shakeデジカメ買って……それのほうが小さいし……手間もかかんないし、などなどとイロイロ考えてA200を買うことにした。

 A200の使用感・性能等は、ケータイWatchの記事にも書いたが、コレ、良かったんですよ。現在も度々愛用中。その使いやすさ・魅力は多々あるが、俺的に気に入っているのは、やはりCCDシフト方式の手ブレ補正機構であるAnti-Shakeと、コニカミノルタのハイエンド機には特に強く感じられる描写傾向──大雑把に言えば脚色が少くナチュラルで素材性が高い画像が得られる点である。

 でまあ、そのA200をもう半年以上愛用している俺が思うに、やっぱ結局手ブレ補正機構って何かと非常に有り難いんスよ。あるとなしとじゃ大違い。得られる写真の画質的アベレージがグッと高まる。表面的な意味での“写真の上手い下手”で言えば、手ブレ補正機構により写真がちょいと上手くなると言える。

 やっぱAnti-Shakeいいわ。α-7買っときゃぁより高度にディープに喜べたのかも知らん。……んじゃぁこれからα-7イッちまうか!?


再度α-7に手を出せず、結局α Sweetを選択

 ビミョーに値下がりしてきたよーな気がするα-7の[購入する]ボタンをポチッとしちまえ俺!! 行け俺!! やれ俺!! と第2の俺に脅迫されていた午後、凄まじい記事を目にした。

 ええっ!? α Sweet DIGITAL!? ボディの店頭予想価格は10万円前後!? レンズキットが12万円前後ぉ!? ソレって俺の愛機DiMAGE A200の価格とカブってませんか? つーかソレ欲しい!! α Sweet DIGITAL欲しぇーッ!! 買うしか!! うぉっしゃァ!! ポチっ!! [購入する]ボタンが登場した瞬間に予約購入をキメた俺であった。なお、α Sweet DIGITALの詳細に関してはコニカミノルタの製品紹介ページをご参照いただきたい。

 α Sweet DIGITAL(以下、α Sweet)を選んだのは、単純にα-7よりかなり安価なレンズ交換式デジタル一眼レフカメラだし、それなのにCCDシフト方式の手ブレ補正機構であるAnti-Shakeを搭載し、2.5型液晶実装だったりもしたからだ。画質も恐らくDiMAGE A200寄りの、つまりわりと俺好みかもな~という目算もあったが、とりあえず価格&ハードウェア仕様で選んだ。

 ちなみに、買ったのはα Sweetのレンズキット(レンズとしてAF DTズーム 18-70mm F3.5-5.6(D)が付属するパッケージ)。レンズ表記の焦点距離の約1.5倍が実質焦点距離(つーか画角の目安)になるα Sweetなので、まあ、最初は18~70mm(つまり35mm判換算で約27~105mmあれば、俺の用途にはマッチするかナと。また、このキットにおけるレンズの価格、計算してみるとかなり激安と言える。

 ボディ色にブラックを選んだのは、黒は敵に発見されにくい色だからだ!! シルバーだと太陽や照明弾の光を反射して発見される危険がある!! サバイバルを念頭に置く男は黒!! という理由が約32%であり、残りの約968%はカッコイイし実用的だから。ってオイ、オマエの場合は百分率じゃなくて千分率なのかよヘンだよソレ>俺。

 冗談はさておき、拙者はブラックボディが好き。ボディが金属ならばシルバーも好きだが、ブラックはレンズの色とマッチして違和感がないし、実際の撮影時にも実用的な色だと感じるからだ。マジな話、ボディがシルバーとかだと、例えば光沢のある被写体の接写やガラス越しの撮影なんかの時に、ボディがやや目立ち気味に映り込んだりする。まあそういう撮影をするケースはさほど多くないが、外見もイイし撮影時にも無難ってコトでブラックボディを選んだ。


たぶん、恐らく、安いなりに……

 発売日にα Sweetが手元に届き、わーい嬉しいよーん!! ぜひ開梱していくよ~ん!! と喜ぶ俺の脳内には、既にある程度の諦めがあった。

 α Sweetはボディの実勢価格が余裕で10万円を切るデジタル一眼。安いのである。が、2.5型液晶実装でAnti-Shake搭載なのだ。他の安価系デジタル一眼より上等な装備を持つのに価格は安価系。となれば、たぶん恐らく一般的安価系デジタル一眼以上に、ボディのいろいろな部分にコスト削減的しわ寄せが来ているハズ。と考えていたので、多少チープでも部分部分ショボくても、ヨシとしていこうと決めていた。

 で、α Sweetの箱を開けてみた。まず、ボディが思ったよりデカいよーな気がした。付属レンズを装着してみたら、もっとデカまってしまった。そして電池入れたら実はα Sweetがさほど軽くないデジタル一眼であることも判明した。

 α Sweetのボディ質量は約590g(電池・CFなど含まず)。“α-7 DIGITALに比べて約22%の小型化・軽量化(体積・重量比)を実現した”というが、キヤノンのKiss Digitalとかペンタックスの*istと比べると……。でもAnti-Shakeに免じてヨシとしていきたい!!

 α-Sweetのボディ質感は、ダイヤルやレリーズボタンにも金属部材を使用し上質感を一層高めているとかいうが、実際に触れてみるとわりとフツーだが、いや悪くないが、質感云々を強くアピールするほどじゃないかも、と。このレンジの他の安価系デジ一眼と同様、全体的にプラスチックなフィーリング。

 ただ、メーカー名および機種名がボディに刻印されておりかつシッカリと塗料が流し込まれている点は、ちょっと高級風味があって嬉しい。また、ふたつのダイヤルの感触、硬さにもプチ高級感があり、多用するボタン類にも刻印・塗料流し込みでの機能表示があって、これもイイ感じ。例えば、*ist DLとα Sweetを並べたりすると、α Sweetの方がハイエンドに見えたりする。


メーカー名は刻印 機種名も刻印されている

 若干デカめ重めな気がしなくもないが、でもAnti-Shake搭載で2.5型液晶実装。触り心地や細部の作りは、思ったよりも良かったので、α Sweetの開梱直後は特に大きな不満ナシ。まあ、いいかナ、と。

 じゃあいよいよ電源入れていじくっちゃうゼ、とα Sweetの説明書を読みつつ操作を始めたら、俺はα Sweetに対して偏見&誤解を持っていた、ということがわかった。


ナメちゃぁイケナイ!? デジタル版Sweet

 α Sweetをいじくり始めるまでは、「安価にAnti-Shakeと2.5型液晶があるデジ一眼が使えるから」という、高度方面機能に対する妥協理由を用意しておいた俺。つまり、実装デバイスと価格のバランスから、まあそんなに高度な機能はナイんだろーなーα Sweet、と思っていた。名前もSweetだし。

 のだが、ソレはちょっと的外れであった。てのは、とりあえずの使用感としてチープさがあまり感じられないし、機能的にも予想外の充実ぶりを見せてくれるα Sweetちゃんなのであらせられたからだ。

 例えばファインダー。ファインダー倍率は0.83倍(50mmレンズ、無限遠焦点時)と若干小さめで、ペンタプリズムはルーフミラー式。α-7と比べるとさすがにコスト削減な感じだが、実使用上は遠いとか狭いとか、暗いとか見づらいという印象ではない。昼間の屋外ならバッチリ実用的であり、AFがかなり賢いので暗めの室内でもファインダーの見え方からくる使いにくさは感じられない。

 逆に、ファインダー内の情報表示およびその使い勝手は十二分にナイスだと感じられた。例えばファインダー内のAFフレーム上には、合焦時に赤のスーパーインポーズ表示がなされるし、ファインダー枠外下の露出関連の情報表示(薄緑)も見やすい。ちなみにスーパーインポーズ表示は、その点灯時間(AFフレーム投光時間)を「なし」、「0.3秒」、「0.6秒」から選べたりして、気が利いている。


ファインダー接眼部下の2つの窓がアイセンサー
 もうひとつファインダー絡みで言えば、α Sweetの接眼部下にはアイセンサーが内蔵されており、接眼すると液晶モニターの情報表示が自動的に消えるようになっている(設定によりこの動作を禁止することもできる)。これ便利。というか接眼してんのにファインダーが光っててウザい、というストレスがなくてよい。

 あるいは、ホワイトバランス関連機能。ちょっと試し撮りしてみたところ、けっこー賢いオートホワイトバランスであり、ダイヤルやボタンを使ってのホワイトバランス設定もスムーズに行なえる。まあそのあたりはデジタル一眼なんで当然っちゃぁ当然なのだが、α Sweetの場合、ホワイトバランスの各設定を超細かく行なえたりする。

 例えば太陽光や白熱灯などの各プリセットホワイトバランスを、10ミレッド単位で数段階の微調整が行なえる。もうちょっと青みを抑えたいとかその逆とか、色温度の微調整(変換)を行なえるのだ。太陽光源下で色彩的表現を突き詰めたい時や、あるいはやや複雑な光源下で適切な(というか欲しい)発色を得るときにスゲく役立つであろう。

 また、ホワイトバランスを色温度で指定することも可能で、さらに色温度で設定した値を基準に(色補正用フィルタを使う感覚で)色補正を行なうこともできる。具体的には、マゼンタかグリーンの色補正を9段階(1段階のCC指数は5)まで行なえる。え!? つーかコレって安価系デジタル一眼の機能? カラーメーターユーザー用機能じゃない!? と、驚いたりした俺である。


プリセットホワイトバランスを微調整できる 色補正までできる

 α Sweetには、フルオートやシーン別撮影モードがあったり、あるいは(デジタル一眼)初心者にも比較的に扱いやすいハードウェア・ソフトウェアインターフェイスがあったりする。ぶっちゃけ、初めて買うデジタル一眼として、わりあい敷居が低くできている。のだが、ポイントポイントで非常に高度&凝った機能・性能も備えている。

 それと、購入&使用開始直後の俺的印象ではあるが、初心者向けと考えられがちな“いわゆる安価系デジタル一眼”という感触とはちょいと違う。いや、確かに操作も表示も理解しやすく、デジカメ慣れしているユーザーなら説明書不要で使い始められるとは思う。が、それに加え、少々口うるさい中・上級者までを視野に入れた機能・使用感が見え隠れするのだ。

 まだまだ細かな機能までは試せていないし、その実力も知り得ていない。しかし、あるいはα Sweet DIGITALの“Sweet”は、フィルム一眼のシリーズでお馴染みだったから付けただけ!? とか思ったりした。市場的にわかりやすいし売りやすい、ってコト? と。だが、なんか、モノをいじくっていると、どーもそういう感じじゃない。けっこー本格派な印象。もしかすると、コストパフォーマンスも機能も、α-7 DIGITALよりも……ともかく、急激にα Sweet使い込みたい欲が出てきた俺なのであった。

 てなわけで以降、α Sweetのアレコレを気の向くままレンズの向くままにお伝えしていきたい。一応毎週。できれば何度も。「この機能をこう試せ!!」などのご要望があれば可能な限りご期待に応えたりもしたい。ので、今後、どうぞよろしくお願いしまっス!!



URL
  コニカミノルタ
  http://konicaminolta.jp/
  製品情報(α Sweet DIGITAL)
  http://konicaminolta.jp/products/consumer/digital_camera/a_sweet_digital/
  製品情報(α-7 DIGITAL)
  http://konicaminolta.jp/products/consumer/digital_camera/a-7digital/
  製品情報(DiMAGE A200)
  http://konicaminolta.jp/products/consumer/digital_camera/dimage-a200/
  【2005年1月24日】オイシイところが多々ある一台「コニカミノルタ DiMAGE A200」(ケータイ)
  http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/stapa/22298.html
  スタパブログ(BB)
  http://bb.watch.impress.co.jp/stapa_blog/

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( スタパ齋藤 )
2005/08/24 01:19
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