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リコー Caplio GX8【第5回】
広さを自然に表現するには

Reported by ケニー・オブライエン


Caplio GXとGX8に装着できるワイコン「DW-4」(10,500円)。取り付けるにはフード&アダプターの「HA-1」(2,625円)も必要
 Caplio GX8を使いはじめて1カ月たつが、このカメラにはファミリーカーに高馬力エンジンと俊敏なステアリングを搭載した印象を受ける。コンパクト機だからといって手軽ではない。むしろコンパクト機だから慎重にならざるを得ないこともある。それなりに使い手を選ぶカメラという感じがしてきた。ならば私も選ばれるよう挑戦したい。

 香港・深センの旅は天気が悪くて撮影が大変だった。撮った写真にも不満が多く、できればまた飛行機に乗って撮影しなおしたいくらいだ。旅のデジカメをテーマにしているだけに近場でちょっと撮るわけにいかない。ということで、また出かけることにした。今回は割り引きチケットがあって梅雨前線の影響を受けにくい場所ということで、北海道にしてみた。

 今回は香港・深センでの反省もあり、一脚を携行した。一眼レフを使っていたときは小型三脚を持っていくこともあったが、コンパクト機だけの旅では三脚なんか絶対に持ち歩きたくない。旅の荷物は極力小さく軽くしたいのだ。

 帰りに千歳空港のX線検査で「三脚をお持ちじゃないですか」といわれた。「三脚は持ってません。一脚なら持ってます」といいながらデイパックの中身検査に協力したが、なぜこうもひっかかるのだろう。私はアメリカとヨーロッパではバッグの中を検査されたことがほとんどない。しかし旧ソ連とアジアではときどきひっかかる。

 こういうことに遭遇するとプロカメラマンの苦労がしのばれる。高価で大事な機材を機内持ち込みできなかったり、金には換えられない貴重な撮影ずみフィルムをX線検査機に通されたり。今年から旧ソ連では機内持ち込み荷物の重量制限が5kgになったようだ。旧ソ連で航空会社に預けるのはとても不安なので、この方面に出かける方は極力機材を切りつめたうえ、機内持ち込み不可にされたときでも大丈夫なように頑丈なバゲージに入れ、確実に施錠されたい。


左からワイコンのDW-4、「HA-1」に含まれるアダプター、フード。フードはゴム製で角型だ
 さて今回は、編集部からワイドコンバージョンレンズを借りたので試してみることにした。第3回で「ワイコンいらずか?」と書いておきながら結局使うのかという声も聞こえてきそうだが……。フードとアダプターとともに北海道へ。

 今回は撮影が目的なので、最も訪れた回数の多い道東にした。千歳空港から鉄道で札幌経由で網走へ。網走なら女満別空港だろうという指摘があったが、航空券を予約したときは目的地が北海道ということしか決まっていなかったのだ。行き当たりばったりだが、北海道らしい写真が撮れればどこでもよかったので、慣れた道東に自然と足が向いた。

 Caplio GX8の広角端は35mm判換算で28mm相当になる。これにワイドコンバージョンレンズを装着すると22mm相当に。これはもう超広角レンズの領域で、この画角を常用することは私の撮影シーンではありえない。あるとすれば28mmでも入りきらない巨大な建物を撮るときや、極端に狭い場所でもできるかぎりフレーム内に収めたいときだろう。

 今回はどうしてもワイドコンバージョンレンズが必要というシーンはなく、結論からいえば28mmでも十分だった。ただ、遠近感を極端なまでに強調したいときには有効かもしれない。上下に振るとパースが強烈につき、垂直な線は曲がり、ちょっとでもカメラを動かすとまったく別の世界が液晶モニターに映る。順光ではカメラを構えている私の影が入り込むし、なかなか難物ではある。

 広さに感動して、その広さを強調したいからという私の広角レンズの使用動機からすると、より広さを強調できるワイドコンバージョンレンズというのは一見便利そうなものである。しかし、広さは強調できるものの、あまりに不自然はパースが好きになれない。さらにアダプターがないと装着できないのも、ちょっと面倒だ。なので私のスタンスとしては、ワイドコンバージョンレンズを使わなくても広さを表現できるようになりたいと、オホーツク海を見ながら思った次第である。

※作例のリンク先は撮影画像をコピー後リネームしたものです。
※作例データのキャプションは、記録解像度(ピクセル)/露出制御モード/露出時間(秒)/レンズF値/露出補正値(EV)/ISO感度/ホワイトバランス/焦点距離です。


網走駅前にて。市街地からはかなり離れていて、閑散としていた
3,264×2,448 / プログラムAE / 1/500秒 / 4.7 / 0 / 100 / オート / 5.8
これぞ北海道という感じの釧網本線北浜駅。ホームの先はオホーツク海だ
3,264×2,448 / プログラムAE / 1/90秒 / 8.1 / 0 / 90 / オート / 5.8

特に意味もなくワイドコンバージョンレンズを使ってみた。旧型郵便ポストがとてもいい
3,264×2,448 / プログラムAE / 1/84秒 / 8.1 / 0 / 100 / オート / 5.8(ワイコン装着)
ワイドコンバージョンレンズで遠近感を強調。左端の標識は切ったつもりだが、少しだけカメラを動かしてしまったため入った。超広角は難しい


URL
  リコー
  http://www.ricoh.co.jp/
  製品情報
  http://www.ricoh.co.jp/dc/caplio/gx8/


( ケニー・オブライエン )
2005/07/04 13:19
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