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富士写真フイルムFinePix F10【第2回】
勢いあまって買ったものの……

Reported by 大原 雄介


 さて、購入はさくらやの新宿西口駅前店である。発売当初から、通販では4万前半の価格をつけている店もあったが、いつ届くかわからないこともあり、新宿西口周辺のカメラ系量販店(さくらや、ビックカメラ、ヨドバシカメラ)で探すことにした。

 最初にビックカメラに行ったところ、現物はあるものの49,800円だという。で、さくらやに行ったら2,000円安い47,800円だというので、面倒になってここで決断。ちなみにあとでヨドバシカメラも覗いて見たが、ビックカメラと同じ値段だった。

 本体と同時に購入したのは、512MB xDピクチャーカード「DPC-512」(12,480円)、スペアバッテリー「NP-120」(5,040円)、xD-CFアダプタ「DPC-CF」(6,279円)といったあたりで、すべて富士フイルムブランド。スペアバッテリーはともかく、メモリカードやアダプタは別に他のベンダーでも構わないつもりだった。ところが、さくらやでは富士フイルムの製品が一番安いというわけで、図らずしも富士フイルムで統一することになった。

 悩んだのはxDピクチャーカード。できれば3月18日発売の1GB品が欲しかったのだが、カタログにはあっても店頭になければ意味がなく、結局512MBで妥協することにした。いずれどこかで手に入れたい。

 購入時にもうひとつ悩んだのは、「カードアダプタにどれを選ぶか?」という問題。最終的には出張中にThinkPad X31のCFスロットでアクセスできると便利、という観点からCFカードアダプタにした。E-1を使ってる関係上、仕事に使うマシンは全てCFを読み取れるようにしてあるため、PCカードとかUSBよりもむしろ使い勝手が良いだろう、と判断したわけだ。

 ところが、使ってみると案外に不便である。理由はいくつかあって、まずxDピクチャーカードをFinePix F10から抜き差しするのが面倒。というのも、xDピクチャーカードとバッテリーは並んで格納されており、バッテリーの方が出っ張っているため、カードを抜くのがちょっと大変である。おまけにバネがかなり強く、不用意に抜くとカードを飛ばしてなくしやすそうだ(実験したところ、水平状態で最大40cm飛んだ)。


本体底面のxDピクチャーカードとバッテリー室。バッテリーがもう少し引っ込んでいれば…… PCカードアダプタはニコン製だが他意はない。たまたま手持ちで余っていただけ

 さらに購入したxD-CFアダプタは、xDピクチャーカードを横から出し入れする構造。最初はPCのCFスロットにアダプタを刺しっぱなしにしておくつもりだったが、毎回アダプタを抜かないとxDピクチャーカードを着脱できない。この方式だと、今にCFカードアダプタを紛失しそうだ。

 そういうわけで、xDピクチャーカードを読む手段は用意したものの、普段はあまり使わないことになりそうだ。その代わり、本体を直接USBで接続する方式が意外と使い勝手が良い。FinePix F10の場合、ACアダプタやUSBなどは、専用の「マルチコネクターアダプタ」を経由して接続することになっているが、コイツの評判があちこちで悪い。要するに「邪魔」ということらしく、勝手な呼び名がつけられている。特に筆者が気に入ったのは「オーパーツ」(=Out Of Place Artifacts、ナスカの地上絵など『そこにあってはいけない物』の意)という呼び方。


左の黒い角型のものがマルチコネクターアダプタ コネクタは6×3mm程度の小さなもの

 さてそのオーパーツ、確かにノートPCなどと一緒に持ち歩くのは不便極まりないのだが、仕事場に置きっぱなしにする分には、ACアダプタとUSBコネクタを一緒に接続できるので、案外便利である。持ち歩きの場合には、上で紹介したCFアダプタを使えば事足りるからで、そう割り切ればこのシステムはそう悪いものではない。またUSB経由での転送もかなり高速である。試しに512MBのxDピクチャーカード一杯の画像ファイル(計462ファイル、498MB)を転送すると、コピーが2分10秒(4MB/sec)、移動が1分31秒(5.7MB/sec)となり、なぜか移動の方が高速だったりする。

 使い方も簡単だ。カメラ本体の電源をOFFにしてつなげば、カードリーダーモードで立ち上がる。エクスプローラーなどでファイル操作後、PCから切り離しを行なうと、カメラの電源がOFFになる。この手軽さは、なかなか気に入った。しかも同時にバッテリーの充電も可能なわけで、この点での使い勝手は良いと評価している。

 難点は、コネクタ部がちょっと華奢なことだ。FinePix F10側にゴム蓋がついているのは仕方はないとはいえ、コネクタが小さいのでラフに扱っているとそのうち壊れそうな感じ。どうせここまでやるなら、置いただけで転送&充電ができるクレードルタイプなどなら文句はなかった。まぁそこまでやると販売価格に響くのだろうか。もう一捻りすれば良くなったのに、と思うとちょっと残念である。

※作例のリンク先は、撮影した画像データをコピー後にリネームしたものです。クリックすると撮影した画像が別ウィンドウで表示されます。

※キャプション内の撮影データは、画像解像度 / 露出プログラム / ISO感度 / 絞り値 / 露出時間 / 露出補正値 / 焦点距離です。


日光の下だと、Naturalモードにしなくても、割と発色はまとも。
2,048×1,536 / プログラムAE / ISO80 / F7.1 / 1/300秒 / 0EV / オート / 24mm
使っている照明が通常の蛍光灯ではなく、太陽光に近い成分という評判のVita-Liteのためか、ちょっと緑掛かった色調になった
2,048×1,536 / プログラムAE / ISO800 / F2.8 / 1/56秒 / 0EV / オート / 8mm

コントラスト比の強い画像にも関わらず、派手に白飛びもせずにきっちり写る。
2,048×1,536 / プログラムAE / ISO200 / F4.9 / 1/200秒 / 0EV / オート / 24mm


URL
  富士写真フイルム
  http://www.fujifilm.co.jp/
  製品情報(FinePix F10)
  http://fujifilm.jp/personal/digitalcamera/finepixf10/
  製品情報(記録メディア、周辺機器関連)
  http://fujifilm.jp/personal/digitalcamera/accessories/list002.html


( 大原 雄介 )
2005/04/08 00:52
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