デジカメ Watch
最新ニュース

オリンパスE-300【第5回】
使える望遠レンズ、50-200mmで夕日と艦船を狙う

Reported by 安孫子 卓郎


E300とズイコーデジタルED 50-200mm F2.8~3.5
 「ズイコーデジタルED 50-200mm F2.8~3.5」は優れものである。テレ端の明るさがF3.5。2/3段ほど暗くなっているとはいえ、400mm相当の画角がこれだけの明るさで10万円ほどの価格で手に入るのありがたい。サイズもコンパクトだ。手ブレ補正がないのは残念だが、明るさである程度は補える。またフォーサーズはミラーショックが小さく、レンズ全体もコンパクトなことから、手ブレにも強いシステムだと思う。

 さて、今回は横須賀の港で艦船を撮った。自衛艦と米艦とが入り交じっているが、あまり詳しくないのでよくわからない。それでも船にはナンバーが振ってあるため、インターネットで検索すれば艦名がわかる。一方潜水艦はさすがに海の忍者。何も書いてない。

 潜水艦はつやのない黒色で塗装されている。黒の露出というのは難しく、黒猫、黒い犬などではいつも苦労する。同じ黒でもSLは比較的判断が付きやすいのだが、毛皮は光を吸収するのか、特に露出が難しい。潜水艦は反射が少なく、濃いグレーという印象。しかし実際に撮影すると、予想よりもオーバーに出てしまった。つまり、筆者の感覚からは、余分にマイナス補正する必要があった。一方、艦船にも多少のマイナスをかけた。軍艦なので強さを出す方が似合う。露出がオーバーになると弱くなるので、多少アンダー目でも被写体の持つイメージを加味すれば適正となるはずだ。

※作例のリンク先は、撮影した画像データをコピーし、リネームしたものです。
※キャプション内の撮影データは、画像解像度(ピクセル)/ISO感度/露出モード/絞り値/露出時間/露出補正値/ホワイトバランス/焦点距離(35mm判換算)です。


左が護衛艦たちかぜ。基準排水量3,850t。右は護衛艦はつゆき。こうしたデータを調べるだけでも写真の楽しみが増えるというもの。3,264×2,448ピクセル / ISO100 / プログラムAE / F5 / 1/400秒 / -0.3EV / オート / 200mm 特殊塗装なのか、撮影しているうちに-0.7EVでは足りなくなり-1EVまで落とした。潜水艦って、けっこう丸いんだという印象。3,264×2,448ピクセル / ISO100 / プログラムAE / F6.3 / 1/500秒 / -1EV / オート / 200mm

潜水艦の全体をぎりぎりにとらえる。水面は必要ないので、上を大きく空け、白い建物と青空で、潜水艦の黒を際だたせた。建物が白いので露出補正はなし。3,264×2,448ピクセル / ISO100 / プログラムAE / F7.1 / 1/640秒 / 0EV / オート / 50mm カラス。5,300Kなのでやや青い。ISO400に増感し-0.7EVに下げたが、それでも1/100秒しか切れない。400mm相当では厳しいが何とか使える。3,264×2,448ピクセル / ISO400 / プログラムAE / F3.4 / 1/100秒 / -0.7EV / オート / 182mm

 その後、夕日を撮りに三浦半島の反対側、西岸へと車を走らせた。E-300のシーンモードに「夕日」があるので、せっかくだから使ってみようと考えたからだ。ぎりぎりに着いたため場所を選ぶ余裕もなく、とりあえず海に出た場所で撮影。三脚に据えたものの、風が強くてやや不安定である。

 E-300のシーンモードには大きく分けて2タイプあり、コマンドダイヤルで直接選べる「ポートレート」や「スポーツモード」と異なり、「夕日」はメニュー内から選択するタイプだ。ところがここで、ダイヤルから呼び出すモードは感度や露出などが変更できるにも関わらず、メニュー内のシーンモードだとデフォルトの設定値を変更できないことが判明した。

 夕日モードは自動的にホワイトバランス曇天の6,000度、ISO感度AUTO、彩度+2、露出-0.7EV、S-AFになる。手持ち撮影ならこれで良いが、今回は三脚に据えているためISO感度は100に固定し、MFで撮影したかった。結局プログラムAEを選択し、「夕日」を一部変えた設定で撮影を行なった。シーンモードをもとに細かく変更したい場合もあるので、ここは融通を利かせてもらいたいところである。

 さて以前、E-1/E-300ユーザーが集まって「ゴミゼロオフ」というオフ会が開かれた。30名もの大量参加で盛り上がったオフ会だったのだが、その中で「50-200mmは僕のためにある」と発言していたのが、鉄道写真を主に撮影している参加者だった。筆者も題材として電車を取り上げることがあるが、確かにこの手のレンズは便利だ。鉄道の場合、望遠レンズで遠近感を圧縮して撮ることが多い。しかも撮影場所が限られるので、ズームレンズが望ましい。鉄道ファンにとっても欠かせないレンズだろう。


本文中で述べた疑似夕日モードでの富士山。実際にはここまで赤くない。3,264×2,448ピクセル / ISO100 / プログラムAE / F5 / 1/500秒 / -0.7EV / 曇天 / 108mm こちらも疑似夕日モード。結果的に1/1,600秒なので手持ちでも良かったかも。しかし強風だったため、三脚が使えるのは心強かった。3,264×2,448ピクセル / ISO100 / プログラムAE / F5 / 1/400秒 / -0.3EV / 曇天 / 200mm

東急世田谷線を連写した中からのカット。ズーミングしながら構図を整えて、数枚ずつ連写している。3,264×2,448ピクセル / ISO200 / プログラムAE / F5.6 / 1/640秒 / -0.3EV / 晴天 / 158mm オレンジの車体がやや傾いた日差しとマッチして良い感じになった。被写界深度が深いため、圧縮感が良く出ている。3,264×2,448ピクセル / ISO200 / プログラムAE / F6.3 / 1/500秒 / -0.3EV / 晴天 / 200mm


URL
  オリンパス
  http://www.olympus.co.jp/
  製品情報(E-300)
  http://www.olympus-esystem.jp/products/e300/
  製品情報(ズイコーデジタルED 50-200mm F2.8-3.5)
  http://www.olympus-esystem.jp/products/lens/50-200_28-35/


( 安孫子 卓郎 )
2005/03/04 00:01
デジカメ Watch ホームページ
・記事の情報は執筆時または掲載時のものであり、現状では異なる可能性があります。
・記事の内容につき、個別にご回答することはいたしかねます。
・記事、写真、図表などの著作権は著作者に帰属します。無断転用・転載は著作権法違反となります。必要な場合はこのページ自身にリンクをお張りください。業務関係でご利用の場合は別途お問い合わせください。

Copyright (c) 2005 Impress Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.