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オリンパス E-300【第3回】
猫写真は広角で背景を絡めてこそ

Reported by 安孫子 卓郎


 筆者は基本的に安いボディが嫌いである。得てしてシャッター音が悪いからだ。連写というのは使う場面が限られているから、秒間2.5コマでも普通は困らない。ところが低価格のボディはシャッター音の歯切れが悪く、カシャ、ジーイという音がする。これがいやなのだ。高級機種はシャッターチャージとミラーが独立した機構なので音の歯切れが良い。しかし低価格機種はミラーのクイックリターンとチャージを兼用で行なうらしく、これが音の悪さに繋がっているようだ。

 ところがE-300では、音にこだわって部品を独立させ、音のために新しい部品の開発まで行なったという。その効果は十二分にあり、他社製品を含め、上級機種に勝るとも劣らない良い音である。量販店の店頭などと違い、実際の静かなフィールドで使用すると、カメラの価値観は音だけでも天と地ほどの差が出るものだ。シャッター音さえ心地よければ、安いボディは軽いため、高級ボディよりもありがたいくらいなのである。

 さて、軽量で快適なE-300とともに、湘南に散策に出かけてみた。レンズはメインとして14-54mm/F2.8-3.5。ところで、筆者は猫が好きなので良く撮る。猫に限らず犬でも馬でも四つ足の動物はたいがい好きだが、街にいて被写体となってくれるのは圧倒的に猫である。

 また、基本的に「猫はワイドで撮りたい」と考えている。風景を絡めてこその猫写真だと思っているからだ。猫だけだとどこで撮って皆同じだし、背景をぼかすとさらに似てくる。とはいうものの、近寄らせてくれる猫ばかりではないから、多少の望遠はほしい。そんなときに、ワイドから中望遠までをカバーし、レンズも明るく軽量な14-54mm F2.8-3.5は好適である。被写界深度も深くてピントが合いやすい上、ほどほどにボケてくれる。筆者のツボにはまるスペックなのだ。

 ただ、E-300で猫を撮るとき残念に思うのは、液晶モニターをファインダーとして使用できないことだ。これではローアングル撮影に不自由するため、猫撮影にはコンパクトデジカメも持って行く。Eシステム用のバリマグニアングルァインダー「VA-1」(26,040円)が2月25日に発売されるが、フリーアングルの液晶モニターと使い勝手は異なる。猫にはやはり液晶モニターなのである。


※作例のリンク先は、撮影した画像データそのものです(ファイル名のみ変更してあります)。縦位置のものは、サムネールのみ回転していますが、拡大画像はあえて回転せずに掲載しています。クリックすると撮影した画像が別ウィンドウで表示されます。

※キャプション内の撮影データは、画像解像度(ピクセル)/露出時間/絞り値/ISO感度/露出補正値/焦点距離です。


テレ側で撮影。この猫は2m以上に近寄らせてくれない。背景に港が入ったので良しとしたい
2,560×1,920 / 1/500(秒) / F8 / 100 / -0.3 / 54.00(mm)
右手から光が当たって、やや逆光気味
2,560×1,920 / 1/200(秒) / F7.1 / 100 / -0.3 / 14.00(mm)

ワイド端で接近。この猫はぎりぎりまで近寄れたので、ノーファインダーで撮る
2,560×1,920 / 1/250(秒) / F8 / 100 / -0.3 / 14.00(mm)
さらに思いっきり近寄ってみる。ほとんど最短撮影距離
2,560×1,920 / 1/320(秒) / F9 / 100 / -0.3 / 14.00(mm)

場所を移動して、駐車場の猫。こういう絵はワイドでなければ撮れない
2,560×1,920 / 1/125(秒) / F9 / 100 / -0.3 / 14.00(mm)
照明灯を味付けに、雲間の太陽を撮影。フレアもゴーストも目立たず、逆光にも安心して使用できるレンズだ
2,560×1,920 / 1/400(秒) / F10 / 100 / 0 / 14.00(mm)


URL
  オリンパス
  http://www.olympus.co.jp/
  製品情報
  http://www.olympus-esystem.jp/products/e300/


( 安孫子 卓郎 )
2005/02/18 00:01
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