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キヤノンEOS 20D【第2回】
駆け込みで間に合ったデビュー戦、しかし土砂降り……

Reported by 奥川 浩彦


300mm F4を取り付けたEOS 20D。手前は×1.4テレコンバータ
 いよいよ購入したEOS 20Dのデビューする日。10月8日、F1日本グランプリの開幕だ。天候はさわやかな秋晴れ……は何処へ、雨、大雨、豪雨である。頭の中で描いていた構想は雨音とともに音を立てて崩れて行く。

 筆者が一眼レフを購入したきっかけはモータースポーツだった。大学時代、二十数年前、富士スピードウェイで開催されるGCシリーズを観戦するうちに「ただ観てるより写真が撮りたい」と思ったのがきっかけだ。そのとき購入したのはキヤノンのA-1、シグマの70-210mmのズームレンズ1本でスタートした。正確なF値を記憶していないがF4-5.6クラスの暗いレンズはすぐに不満が出て80-200mmF2.8へ。それも納得できず2年ほどで全て単焦点レンズに変更した。ラインナップは24mm F2.8、50mm F1.4、85mm F1.8、135mm F2.8、300mm F2.8、×1.4、×2のテレコン。300mm以外はキヤノン純正、サンニッパは純正品のFDレンズが40万円台で手が届かず、30万円を切っていたタムロン製を購入した。

 この頃は富士と鈴鹿で開催されるF2、GC、8耐、WEC(世界耐久)などのレースを年間10戦ほど撮影していた。四輪では引退した星野一義、中嶋悟、鈴木亜久里らが全盛期の頃、8耐にはケニー・ロバーツ(もちろん父)、ワイン・ガードナー等グランプリライダーが参戦し、20万人が集まる巨大イベントとなっていた。1レース10本ほど撮影するので年間100本以上のフィルムを使用していた。今思うとフィルム、現像、プリント代で毎年デジイチが買えるほどのランニングコストが発生していた。当時の腕は……キヤノンモータースポーツ写真展に3年連続で入選したり、他の写真展やモータースポーツ雑誌の投稿写真に採用されたのでそこそこだったと思う。初F1は'86年、新婚旅行で訪れたモナコ。翌'87年から中嶋がロータスに乗り、鈴鹿でF1が開催され、フジテレビが全戦中継を行ないF1ブームが始まる前の年だった。観戦ツアーもなく日本のJAFに相当するモナコ自動車連盟にフランス語のお手紙を書いてチケットを入手して、ニースから電車で毎日モナコまで通いながら観戦した。翌'87年から鈴鹿で開催されている日本グランプリは18年間皆勤賞。20Dはこの日のために買ったといっても過言ではない。

 記念すべきデビューの日なのに台風の接近で豪雨だ。当初、描いていた構想は比較的空いている金曜、土曜で撮影して、日曜日は決勝をノンビリ観戦するつもりだが……。

 フリー走行1回目、ダンロップコーナーで20Dを構えるが誰も走ってこない。下位チームサードドライバーがたまに走ってくるが、ほとんどのチームは様子を見ている。1時間のセッションの残り10分くらいになって各車コースインするがペースは上がらす。佐藤琢磨にいたってはピットから出て徐行してピットへ戻って終わり。周回数1周、タイムなし。傘を差して撮影ってわけにも行かないのでポンチョ着てカメラはタオルを掛けて撮影するがいきなり防滴テストだ(結果は――合格)。

※作例のリンク先は、撮影した画像データをそのままコピーしたものです。クリックすると撮影した画像が別ウィンドウで表示されます。

※キャプション内の撮影データは、画像解像度(ピクセル)/露出モード/ISO感度/絞り/露出時間/露出補正値/ホワイトバランス/焦点距離(35mm判換算)です。


ダンロップコーナーにて。3,504×2,336 / シャッター速度優先AE / ISO 200 / F13 / 1/100(秒) / -0.3 / オート / 300mm ピット2階からメインストレート。3,504×2,336 / シャッター速度優先AE / ISO 200 / F8 / 1/125(秒) / -0 / オート / 35mm

ピットウォーク。3,504×2,336 / プログラムAE / ISO 800 / F11 / 1/320(秒) / -0.3 / オート / 70mm ダンロップコーナー。3,504×2,336 / シャッター速度優先AE / ISO 200 / F13 / 1/80(秒) / -0.3 / オート / 300mm

 悪コンディションの中、1年前に使ったD60よりはオートフォーカス(AF)の性能が高いことは実感する。この場所でのD60の撮影はAFを切って置きピンで撮影した。最終的な画像だけ見ると分からないが、実際のサーキットでの撮影は金網との戦いだ。金網越しに近づいてくるマシンをファインダーで追っかけながら、金網の切れ目、撮影ポイントに着た瞬間にシャッターを切る。D60の時は撮影ポイントの前にフォーカスが大きく振られるケースが多くマニュアルフォーカスで撮影したが、今回は全てAFで撮影できた。レンズは300mm F4(ISなし)、シャッター速度は1/80~1/100秒に設定。焦点距離1.6倍をかけると480mmとなる。望遠レンズを使うスポーツ系の撮影に、この1.6倍は嬉しい。

 午後のフリー走行2回目。構想では西コース、ヘアピンまで移動しようと思っていたが、雨は更に勢いを増しているし、顔馴染みの方もいるしって自分に言い訳してピットの2階から撮影。メインストレートを駆け抜けるマシンをズームレンズの35mm側でマシンを小さく、流れる景色を大きく撮影しよう。ピットウォールのチームブースが邪魔してしるからAFは諦めMFで撮影。このセッションも土砂降り状態は変わらず、消化不良のまま初日は終了した。(続く)



URL
  キヤノン
  http://canon.jp/
  製品情報
  http://cweb.canon.jp/camera/20d/


( 奥川 浩彦 )
2004/12/15 01:06
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