デジカメ Watch

シグマ「10mm F2.8 EX DC Fisheye HSM」

交換レンズ実写ギャラリー
Reported by 上田晃司

4,288×2,848 / 1/200秒 / F5.6 / +0.33EV / ISO200 / WB:晴れ




D300に装着。価格は9万5,025円。キヤノン用、シグマ用、ニコン用ともに発売日は2007年12月16日
 APS-Cサイズの撮像素子専用の魚眼レンズ。レンズマウントは、キヤノン、ニコン、シグマ用があり、特に純正のデジタル専用魚眼レンズが存在しないキヤノンユーザーには、気になる存在かもしれない。

 画角は対応マウントによって若干違いがある。キヤノン用とシグマ用が対角線方向に154度、ニコン用が180度になる。今回試用したのはニコン用だ。75.8×83.1mm(最大径×全長)、475gと単焦点レンズにしては少し重めだが、今回使用したニコンD300に装着するとバランスが良く使いやすい。

 まず気になる描写だが、魚眼レンズという特殊なジャンルの製品にも関わらず、シャープで解像力のあるレンズだと感じた。コントラストもやや高めだ。魚眼レンズは、レンズの周辺の像が極端に流れてたり、ポヤポヤして綺麗に解像しないものという印象があったが、このレンズは花などのクローズアップを除いてほとんど周辺の像が流れていない上、隅々までほぼ問題なく描写している。

 また、作例を見ていただいても分かるように、フレアやゴーストはほとんど出なかった。まれに光源の位置や強さによっては小さなゴーストが出るが、画角を少し変えることで防げる。周辺光量落ちに関しても、気になるほどではない。

 さらに最短撮影距離が13.5cmと短く、フードのスレスレまで被写体に寄れる。魚眼レンズの広い画角と近接撮影を組み合わせることによって、マクロレンズとは違った面白い写真表現が可能だ。もちろん魚眼レンズならではのパースペクティブやデフォルメ効果を利用し、人間の目には見えないフィッシュアイならではの世界を撮ることが可能だ。

 開放F値がF2.8と明るいので、手持ちでの室内撮影や夕景撮影などにも力を発揮するだろう。魚眼レンズということもあり、被写界深度が深くボケにくいが、近接撮影時の背景ボケ味はなかなか柔らかくて綺麗だ。

 AF駆動用に超音波モーターを搭載。とても静かでスムーズなピントを合わせが行なえる。さらにフルタイムマニュアルも可能なので、AF後にMFで微調整することで、微妙なピント調整も可能だ。フォーカスリングは滑りにくく、少し強めのトルク感がある。画質に続き、操作性の面でも不満はない。

 ほかの標準ズームレンズや超広角レンズとはひと味違った写真を撮ることができるので、使用していてとても新鮮だった。旅行など撮影に行く際、作画のバリエーションを広げる意味で、カメラバックに入れておきたいレンズだと感じた。

  • 作例のリンク先のファイルは、JPEGで撮影した画像をコピーおよびリネームしたものです。
  • 作例下の撮影データは、記録解像度(ピクセル)/露出時間/絞り値/露出補正値/ISO感度/ホワイトバランス/実焦点距離を表します。
  • 強調のため一部の項目を1行目に抜粋した場合もあります。





4,288×2,848 / 1.3秒 / F16 / -1.67EV / ISO200 / WB:晴れ
4,288×2,848 / 1/500秒 / F5 / -0.33EV / ISO200 / WB:晴れ


4,288×2,848 / 1/1,000秒 / F4 / +0.67EV / ISO200 / WB:晴れ

4,288×2,848 / 1/8,000秒 / F2.8 / 0EV / ISO200 / WB:晴れ


4,288×2,848 / 1/1,250秒 / F7.1 / 0EV / ISO200 / WB:晴れ

4,288×2,848 / 1/125秒 / F10 / 0EV / ISO200 / WB:晴れ


4,288×2,848 / 1/4,000秒 / F2.8 / +1EV / ISO200 / WB:晴れ

4,288×2,848 / 1/1,250秒 / F9 / -0.33EV / ISO200 / WB:晴れ


4,288×2,848 / 1/2,500秒 / F4 / +0.33EV / ISO200 / WB:晴れ

4,288×2,848 / 15秒 / F14 / -4.3EV / ISO200 / WB:蛍光灯





4,288×2,848 / 1/400秒 / F3.5 / 0EV / ISO200 / WB:晴れ





F2.8
4,288×2,848 / 1/500秒 / 0EV / ISO200 / WB:オート
F4
4,288×2,848 / 1/250秒 / 0EV / ISO200 / WB:オート
F5.6
4,288×2,848 / 1/125秒 / 0EV / ISO200 / WB:オート

F8
4,288×2,848 / 1/60秒 / 0EV / ISO200 / WB:オート
F11
4,288×2,848 / 1/30秒 / 0EV / ISO200 / WB:オート
F16
4,288×2,848 / 1/15秒 / 0EV / ISO200 / WB:オート

F22
4,288×2,848 / 1/8秒 / 0EV / ISO200 / WB:オート





URL
  シグマ
  http://www.sigma-photo.co.jp/
  製品情報
  http://www.sigma-photo.co.jp/lens/digital/10_28.htm

関連記事
シグマ、デジタル専用初の円周魚眼レンズなど(2007/11/14)



上田晃司
(うえだこうじ)1982年広島県生まれ。アメリカ、サンフランシスコに留学し、写真と映像の勉強をする。学生時代にTV番組やCMを制作するものの人物写真に目覚め、写真家を目指すことを決意。帰国後、写真家塙真一氏のアシスタントしながらフリーランスのカメラマン、ライターとしても活動を開始。

2008/01/15 00:03
デジカメ Watch ホームページ
・記事の情報は執筆時または掲載時のものであり、現状では異なる可能性があります。
・記事の内容につき、個別にご回答することはいたしかねます。
・記事、写真、図表などの著作権は著作者に帰属します。無断転用・転載は著作権法違反となります。必要な場合はこのページ自身にリンクをお張りください。業務関係でご利用の場合は別途お問い合わせください。

Copyright (c) 2008 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.