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フォクトレンダー「マクロアポランター125mm F2.5
(キヤノンEFマウント)」
EOSにそのまま付く、クラシックなデザインのMFレンズ
バックナンバー
先日、カールツァイスの一眼レフ用レンズがコシナから発売される、というニュースがあった。その記事の中で気になったのが「今回発表されたPlanar2種は第1弾で、次にマクロを出す」というもの。さらに今回のツァイスは、ニコンFマウントとM42(どうも私は「プラクチカマウント」という方がピンとくるのだが)の2種のみだが、マウントアダプターを介して他のマウントのボディでも使ってほしい、とのコメントも雑誌で見かけた。
そこで思い出したのが今回紹介するフォクトレンダーのレンズだ。マウントアダプタなしで、デジタルに使えるマニュアルフォーカスレンズとして希有の存在。同じコシナの製造だし、ツァイスのマクロが出てくる前にチェックしてみようと思い立ったのだ。
コシナからフォクトレンダーブランドで売られているレンズの中には、一眼レフに使える「SLレンズ」がある。複数のマウントで売られ、デジタル一眼レフに使えるのは40mm、75mm、90mm、125mm、180mmの5種。他にミラーアップして使う12mmと15mmがあるが、これらはデジタル一眼には使えない。ミラーアップしたまま固定できるニコンのFひと桁シリーズとニコマート専用となる。
EOSマウントが出ているのはさらに少なく、125mm F2.5の1種類のみだ。
他のラインナップが一般的な単焦点、あるいは「クロースフォーカス」と名付けられている準マクロだが、125mmはちょっと焦点距離が長めの本格マクロ。フォクトレンダーのペットネームとして「マクロアポランター」という名前が付けられている。「アポ」は色収差を除去した設計であることを表し、高性能の証である「青・緑・赤」の3本ラインがレンズ先端に描かれている。知り合いのレンズ技術者によると、望遠では「フィルム用、デジタル用をそう気にすることはない」とのこと。光が撮像素子面にまっすぐ入ってくるからである。
見た目はすごくクラシックなスタイルなのに、マウント面を開けてみると電子接点が見える。不思議な気もするが、カメラ側で絞りを操作できて便利
最短撮影距離は38cm。「マクロ」の名前のとおり、等倍撮影が可能。ピントリングは2周近くまで回る。ヘリコイドに赤いラインが見えるところが1/2倍から等倍撮影の状態
クラシックなデザインのレンズによく似合う、クラシックな結晶塗装の角型フードが付属している。取り付けは3ツメのバヨネット式
マクロアポランター125mmは EOS 20DやKiss Digitalでは1.6倍の焦点距離で200mm相当の望遠マクロとして使用できる。もちろん、EOS 5Dなどのフルサイズ機やAPS-Hフォーマット機でも使える。今回は、EOS 20Dで使ってみた。
※作例のリンク先は撮影画像をコピーしたものです。
遠景を絞って撮影してみた。明部のクレーンから、右下の暗部にあるビニールの質感まで描写されている
1/25秒 / F8 / 絞り優先オート / AWB / ISO100 / +0.7EV / 平均測光
レンガ造りの東京駅を撮ってみた。風が強かったので、絞り開放で撮影したが、細部もきちんと描写されている。圧縮効果で八重洲口にある建物も駅のすぐ裏にあるように見える
1/50秒 / F2.5 / 絞り優先オート / AWB / ISO100 / 平均測光
中望遠の単焦点レンズ、といえばポートレート撮影。焦点距離が長いため、5mくらいでバストアップ。まつげまでシャープに描写されている
1/500秒 / F5.6 / 絞り優先オート / AWB / ISO100 / 平均測光
さらに離れて全身を入れたポートレート。背後に通る人が見えたので、その存在感を出すためにF8に設定。絞りを素早く電子ダイヤルで操作でき、ファインダーでチェックできる
1/320秒 / F8 / 絞り優先オート / AWB / ISO100 / 平均測光
1:4倍に少し満たないくらいのアップで撮影。肌の描写を見たかったのだが、ブレてしまった。ここまでアップにすると、1/125秒でも手ブレ、被写体ブレに気をつけなければならない
1/125秒 / F8 / 絞り優先オート / AWB / ISO100 / 平均測光
半絞りだけ絞って顔のアップを撮影。髪の毛や肌のきめ細かさまで描写されている。このような写真を撮りたいなら、このレンズはピッタリだ
1/3,200秒 / F2.8 / 絞り優先オート / AWB / ISO100 / 平均測光
開放で撮ってみた。前ボケ、後ボケの滑らかさ、髪の毛、ズボン、土、草といったピントの合ったところのシャープさはすごい。ただ、マニュアルフォーカスだから、ピントは難しい。何度も撮ってようやく成功した
1/1,600秒 / F2.5 / 絞り優先オート / AWB / ISO100 / 平均測光
最短撮影距離・等倍での描写をチェックした。寒い季節だったので、花はなく、芽を出した雑草を撮ってみた。葉の表面にある細かい毛がピシッと描写されている
1/1.7秒 / F16 / 絞り優先オート / AWB / ISO100 / 平均測光
最新のEOSデジタルとのデザインはアンマッチながら、絞りの操作が違和感なくでき、ピントリングの回転方向も純正と同じ「∞が右」。Exif情報もきちんと出てきて写真の整理も便利と、「使いたいレンズをなんとかアダプターで使う」というのではなく、普通に使える感覚がありがたい。ツァイスからもこういうのが出ると、EOSでも使いやすいのだが……
ちなみにこのマクロアポランター125mm F2.5はαマウントも用意されているので、α-7 DIGITALなどでも、電子ダイヤルでの動作ができる。
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URL
コシナ
http://www.cosina.co.jp/
製品情報
http://www.cosina.co.jp/seihin/voigt/v-lens/sl/125sl/index.html
( 木村 英夫 )
2006/02/02 00:43
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