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キヤノン PIXUS MP500
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写真印刷よりも普段使いに適したバランスのとれた複合機
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●5色インクながら上位モデルと同等のプリントヘッド
キヤノンのプリンタにおける2005年の複合機ラインナップで見ると、「PIXUS MP500」はちょうど中間に位置するモデルだ。最上位モデルの「MP950」と比べると、5色インクの採用や1,200dpiのCISスキャナ搭載などといったスペックの差はあるものの、印刷解像度9,600dpi、インク滴最小1plという新開発のプリントヘッドを採用し、高い写真画質を実現できる、コストパフォーマンスの高いモデルに仕上がっている。
なんといってもMP500の特徴は、最上位モデルのMP950と同等のプリントヘッドを搭載している点だ。正確には、MP950の7色に対して5色と、使える色数は異なっているが、前述のように解像度やインク滴サイズ、プリントヘッド技術FINEといったスペックは同等で、このあたりの詳細についてはMP950の記事で語られているとおりだ。
画質は、価格帯を考えれば十分な印象。単機能機では8色インクの「iP8600」や7色インクの「iP7500」、複合機最上位のMP950といったモデルがあるが、それに比べてもまずまずの画質だ。暗部の階調がつぶれ気味でやや不安が残るものの、MP500の印刷結果を単独で見ればそれほど不満は感じないだろう。また、細部にわたってざらつきがなく、このあたりは極小のインク滴の効果が現れているところだ。
印刷速度もなかなか健闘している。通常インク滴が小さくなればなるほど印刷速度が犠牲になる傾向にあるが、それでも今回のMPシリーズは速度も十分高速で、MP500の場合、L判フチなしで標準画質では40秒強となっている。
また、上位モデルと同様にMP500では染料系ブラックと顔料系ブラックの2つの黒インクを搭載しており、普通紙印刷でもにじみの少ない高い印刷品質を実現している。モノクロ文書の印刷品質は高く、一般的な原稿をモノクロ印刷する際の印刷速度もかなり高速だ。上位機種には劣るものの、それに迫る速度を実現している。
写真画質を求めるユーザーにはMP950や単機能のiP8600が用意され、MP500は普通紙への文書などの印刷、コピーが中心で写真印刷はたまにする、といったユーザーをターゲットにしている。そうしたユーザーにとってMP950などはオーバースペックだが、写真印刷にも十分対応でき、モノクロ印刷が美しいMP500が適しているだろう。
●実用用途に最適
MP500と上位モデルで最も価格差を感じるのがスキャナ部だ。MP950は、光学解像度3,200dpiのCCDスキャナと、同800dpiの2つのCCDを搭載、用途によって使い分けなどができていたが、MP500は同1,200dpiのCISセンサーなので、スキャン精度は上位モデルに一歩譲る。またMP950は標準でネガ/ポジの35mmフィルムスキャンに対応、最大12コマの連続スキャンが可能だが、MP500にはそうした機能は搭載されていない。
ただ、これも前述の通り、写真を扱うことをメインの目的としなければ大きな不満にはならないだろう。新聞や雑誌を読み取り、スクラップする目的であれば1,200dpiのCISセンサーで十分だ。写真を中心に考えると、MP500のスキャナ機能には不満を感じるだろうが、写真の取り込みを重視する場合は、より上位のモデルを検討しよう。
コピーに関しては、裏写りしそうな原稿を読み取る際に濃度を自動的に調節することで、地色を取り除き、裏写りをしないようにしてくれるなど、実用目的には便利な機能を搭載している。
もちろん、写真印刷に適していないという意味ではなく、単独での印刷結果は満足できるレベルにあるし、自動両面印刷やCDラベル印刷など、楽しめる機能も豊富に搭載している。普段は年賀状や普通紙印刷、たまに写真印刷といった使い方に適したモデルだ。
※印刷結果は印刷結果と近似するよう配慮したが、完全に同一の色にはなっていない点に注意して欲しい。また階調の残り具合を見せるため、黒側は意図的にやや浮かせる調整としている。
※テスト方法についてはこちら。
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( 小山 安博 )
2005/12/13 15:39
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